五社英雄と『龍院花子の生涯』 五社英雄と言えば、フジテレビ時代に作った人気ドラマ『三匹の侍』やリアルで豪快な殺陣で知られる映画『人斬り』などの時代劇もあるが、なんと言ってもその名を世に知らしめたのが、82年の『龍院花子の生涯』だ。 当時テレビで予告編CMが流れると、喪服姿の夏目雅子が「なめたらいかんぜよ!」と土佐弁で啖呵を切るシーンが話題となった。 侠客一家を描いた映画だが、重厚な映像と父娘の情念を描く物語が女性客を引きつけ大ヒットする。ちなみに「なめたら~」の言葉は脚本にはなく、撮影当日に急遽加えたセリフである。 ハッタリをかましながら映画を作ってきた五社英雄の生涯も面白いが、まずこの『鬼龍…