女優、映画俳優、(1909-1977)、山口県下関市出身 15才で映画界に入り、大部屋時代を経て、松竹映画の大スターへ。 戦後は、溝口健二作品に出演した。しかし、晩年は、不遇な境遇に遭い、1977年にこの世を去った。死の直前、「目が見えなくなっても、演じれる役があるかしら」と漏らした。 いとこは映画監督の小林正樹。 死後、新藤兼人が田中絹代の自伝小説を執筆した。
銀座化粧 [DVD] 田中絹代 Amazon 1951年 成瀬巳喜男監督 溝口健二の54年作品「噂の女」*1と印象が一緒くたになって年を重ねた田中絹代が辛い目に合う話、なんて頭の中でくくっていたが、周りの方にすすめられ再見したらなんと面白い。前に観た時*2、田中絹代のやさぐれ感になじめぬような感想を書いていたが、今回働くバーでもリーダー格でいろいろ任されているけどいい加減くたびれている女をなんと見事に演じていることか、そこがいいんじゃないか!と過去の自分に対してツッコんでしまった。くされ縁みたいな三島雅夫は男女の仲というよりお金のことで頼ってくる零落した元旦那。人柄だけは優しく情けないけどほっ…
荒川沿いの下町で身を寄せ合うように暮らす庶民の姿を描いた、切なくもユーモアのあるヒューマンドラマ 製作:1953年 製作国:日本 日本公開:1953年 監督:五所平之助 出演:上原謙、田中絹代、高峰秀子、芥川比呂志、関千恵子、他 レイティング:一般(どの年齢の方でもご覧いただけます) ◆◆ この映画の猫 ◆◆ 役:☆(ほんのチョイ役) おもちゃにされる猫 名前:不明 色柄:キジ白 ◆五所と絹代 このブログで日本初のトーキー映画として五所平之助監督の『マダムと女房』(1931年)をご紹介しましたが、そのとき日本髪の女房役で「あなたぁ、あなたぁ」と鼻にかかった甘い声を連発していた田中絹代。22年後…
瀬那十五年六月七日 一般に、独裁国家は国家的法益を何よりも強調するので、国家の構成や機能にとって少しでも不利と思われる行為の全てを犯罪とみなして反応し、刑法に国家的法益に関する犯罪規定を多く設ける。全体主義的国家は、どのような解釈も可能である社会道徳や社会秩序、公序良俗といった社会的法益を重要視するので、このような抽象的概念をもって多くの行為を犯罪とみなして反応し、刑法に社会的法益に関する犯罪規定を数多く設ける。 王雲海『日本の刑罰は重いか軽いか』集英社 午後十二時十三分。カロリーバランス、緑茶。離床が正午過ぎになってしまった。「疲れ」のせいにしてはならない。「寝つきの悪さ」のせいにしてもいけ…
1954年「大映」 なぜこのタイトルなんだろう? 溝口健二監督作品と気づかなければ観なかったかもしれません。思いがけず良い映画を見つけてしまいました。 京都島原の廓でただ一軒太夫の置屋とお茶屋を兼ねた、井筒屋の女将初子 というのが本作のヒロインで田中絹代が演じています。 ネタバレします。 舞台はそのまま1950年代の京都、ということでよいのだろうか。 初子の娘・雪子は東京の音楽大学でピアノの勉強をしていたのだが失恋で自殺未遂となり母・初子が迎えに行って我が家も兼ねるいわゆる女郎屋に戻ってくるところから始まる。 大学生でもある雪子は自分が売春婦たちが稼いだ金で大学で学んでいることに引け目を感じて…
1960年「大映」 映画やドラマは数えきれないほどあるのになかなか観たいものが見つからない中で「アマゾンプライム「KADOKAWA」にて鑑賞。 ネタバレします。 この年代の歴史物語にものすごく興味があるのだけど作品自体がそれほどない上に興味を持てるもの、充実しているもの、となるとなかなか出会えない。 その中で本作はかなりの価値があると思えた。 何度も書くけど田中絹代は女優として有名だが監督だったというのは最近まで知らずにいた。 ここに至って続けて鑑賞したがどれも上質な映画作品でなぜもっと話題にならないのかと思うのだ。 田中絹代作品はどれも「女性の生き方」について描いている。 本作は侯爵家の令嬢…
戦前の小津映画を二本再見 あの頃映画 松竹DVDコレクション 「その夜の妻/非常線の女」 岡田時彦 Amazon あの頃映画 松竹DVDコレクション 「淑女は何を忘れたか」 栗島すみ子 Amazon 「非常線の女」 前に観た時田中絹代の丸顔がワルの一味らしくないなあと思っていたが、今回も・・だけど、一味らしくない人間だからこそのストーリーかもしれない。襟をたてたコートの出で立ちなどかっこいい。 どなたかが「ドイツ表現主義」にたとえておられたが、本当にとても凝った画面作り。窓や建物がかっこよく映る。 レコード店店員を演じた水久保澄子さんという女優さんがチャーミング。wikipediaをみると、随…
1962年「松竹」 田中絹代が監督として手掛けた六作品の最後の映画作品であります。 私としては『乳房よ永遠なれ』『月は上りぬ』に続いて三作目の鑑賞です。 ネタバレします。 前に観た二作品同様「女性の生き方」を徹底的に描いた作品だった。 最後の作品だけにその思いも濃厚に込められている。 主人公は千利休の娘である”吟” wikiで見る分には利休の数人いる娘を合わせて作り上げた女性像のように思える。 その女性像を描いた今東光原作の映画化である。 ”吟”は美しいだけでなく自我を持った女性である。 キリシタン大名で妻帯者の高山右近を恋い慕っているのだがその思いは一途に激しいものでありしかも彼女はその思い…
www.nihon-eiga.com CS放送にて 中村登監督 1974年 子どものころからこの作品のことはうっすら知っていた。有吉佐和子原作、妻妾同居の強烈な話、舞台にもなってかなりメジャーという風に。 映画のタッチは基本コミカルで最後は井伏鱒二の「山椒魚」を思い出すようなブラックジョーク的な色彩になっていた。 そもそも事業家の夫が亡くなった本妻 三益愛子のところに、どうして夫の妾や妹が押しかけてくるのか少し強引だなあと思いながら観ていたが、wikipediaによると、原作は 高利貸の武市浩蔵が上根岸の本邸を空襲で失い、旅行先の箱根から妾の駒代同伴で、渋谷神山町の妹のタキの家に転がり込む。駒…
1955年「日活」 やはり気になって田中絹代監督作品第二作目を鑑賞しました。 今になって田中絹代監督映画を知って「なぜこれらの作品がもっと話題にならないのか」と歯がゆく思っています。 ネタバレします。 明るく生き生きとしている三女節子は二姉である綾子と雨宮を夫婦に仕立てようと奮闘する。 その策略は上手くはかどるが自分の恋心を操るのは難しい、というほのぼのした物語である。 田中絹代監督自身が「よねや」という女中さんの役で出演しているのも楽しい。 監督の映画出演はたいがい下手なものだけど彼女の場合は誰よりも上手いからw 東京から奈良へ疎開してきた家族がそのまま奈良に住み着いたものの娘たちは東京へ行…
1955年「日活」 そもそも自分が田中絹代出演映画を観たのはかなり後になってからだった。 それが『サンダカン八番娼館望郷』だったのもあって衝撃的な出会いだった。 とはいえ田中絹代が映画監督でもあったと知ったのはさらに後というか最近になってからであった。 配信があると知ってすぐにも見たかったがタイトルでやや尻込みしやはり乳癌を題材にしたものと知ってさらに怯え冒頭をやっと見たもののあまりの険悪さに結局中断したままになっていた。 今日本近代史特に女性の在り方について興味を持っているのもあってやはりこれは観なければならないと決意しました。 ネタバレします。 正直に言うと今の眼で見れば「ものすごく面白い…