映画女優。「永遠の処女」と呼ばれる伝説的スター。
1920年6月17日生まれ。 本名:会田昌江。義兄に熊谷久虎がいたことから家に映画人が自然で出入りし、半ばスカウトのような形で日活へ入社。山中貞雄監督の「河内山宗俊」で注目を浴び、日独合作映画「新しき土」ではヒロインに抜擢される。 伊丹万作、小津安二郎、黒澤明、吉村公三郎、木下恵介、今井正など、多くの監督の名作に出演。引退後は一切マスコミに姿を見せていない。 2015年9月5日、肺炎のため死去。享年95。
監督 松田定次 脚本 比佐芳武 原作 横溝正史 出演 片岡千恵蔵 原節子 三津田健 風見章子 杉村春子 小堀明男 水原洋一 宮口精二 賀原夏子 八汐路恵子 青山健吉 アマゾンプライムビデオより 眼鏡の原節子は初めてみました。若い三津田健も初めてでした。 風見章子・原節子 三津田健 片岡千恵蔵が背広姿で洋風な金田一耕助だ。まだ占領時代であったのでGHQによって題名が変えられたという(原題は本陣殺人事件)。横溝正史の作品って地方の大地主の家におこる遺産争いとかが多く、暗い。これは息子の結婚相手の家柄に反対する封建的な一家でおこる殺人事件。 アメリカ帰りの私立探偵、金田一耕助(片岡千恵蔵)は日本へ帰…
暑すぎる!冷房なしで過ごせた昭和が羨ましい! おおまかなストーリー 映画の感想 ➀ドライで静謐な作りが新鮮 ②家族の温かさではなくバラバラになる物語 ③原節子さんの神々しいまでの美しさに震えた! ④うちわや扇子を仰ぐだけで暑さを凌いでいる! この映画のエピソード ➀映画の成功は共同脚本の野田恒吾さんの功績も大きい! ※この記事では映画の結末部分まで触れていますが 映画の鑑賞の妨げにはならないかと 私としては思っています 昨年亡くなられた脚本家の山田太一さんは 「シナリオを読んでも半分も分からない 映画を見て下さらなければ」と語っているくらいです 本記事を読む、読まないはご自由にどうぞ (日本シ…
今回は単発映画紹介 おおまかなストーリー 映画の感想 ➀国後島の風景に目が行ってしまう ②漁業の乱獲問題について考えさせられる ③日本製品の信用まで考えている兄がすごい! 北海道ではこの映画の写真展や上映会が行われた! 映画の全体的な感想 今回は単発映画紹介 近年は有名企業の不正事件が 後を絶たないですね 昨年のBM社や今年に入ってからの D社やTグループなどの自動車業界の不正 そしてつい最近ではBO社の 不正買取問題が起こりましたよね こうした企業の不正に対して 一石を投じる昭和の映画を紹介します 今回はシリーズではなく1回限りです ほかに企業の不正を取り扱った作品が 思いつかなかったのです…
修理工と令嬢の恋物語―――映画界の革命児といわれた木下恵介が、大作「破戒」に続いて取り組んだ、明るくてそれでいてちょっと切ない恋愛映画。佐野周二と原節子という豪華な顔ぶれで、身分を超えた愛が互いの理解と尊重の上に成り立つさまを爽やかに綴っている。本当のお嬢様とは何か?真実の愛とは何か?を、教えてくれる逸品。 (Prime Videoより引用) 監督:木下恵介 出演:佐野周二/原節子/佐田啓二 お嬢さん乾杯! 佐野周二 Amazon おとこっぷりもよいし、商才(車の修理屋)もある、佐野周二に見合いが。結婚する気なんてない! もう32だろ! 34です! そんなこんなで会ってみたら……原節子さん! …
ごぜじゅう企画、こないだは「ヴェンダースまつり」だったが今度は「小津安二郎まつり」かぁ。「世界のクロサワ、世界のオヅ」と言われるくらいですが若いころはクロサワ映画は世界的にも有名だが小津安二郎はそれほど凄いの?むしろ無駄なショットが多くてアレなのでは?と思ってたのですよ。 小津作品は若いころよりも齢(よわい)を重ねてから見たほうが良いということがわかりました。 昔読んだ小説の感想は今と全く同じで「ああ、自分の感性って変わらんのだなぁ」と思ってたけどコレだけは違いました(ま、もともと映画も小説も媒体は違うのだけど。ようは感性の問題ね)。 ごぜじゅう企画で小津安二郎監督の超有名な『東京物語』しか見…
原節子 わたしを語る (朝日文庫) 作者:貴田 庄 朝日新聞出版 Amazon 図書館でなんのきなしに借りて読んだんだけれど、めちゃめちゃ面白かった。手元に置いておきたい一冊である。 原節子の発言やインタビューを集め、彼女はいったいどんな人だったのか、を考察している本。 やっぱり原節子っていったら小津安二郎作品に出ていたひと、というイメージなんだが、黒澤も成瀬も出ている。 気に入っている作品に『お嬢さん乾杯!』、そして愛着のある作品に『わが青春に悔なし』『安城家の舞踏会』を挙げている(小津作品についての熱い想いも随所で語っているが、交際疑惑!? に気を遣って発言を控えている)。 読書(トルスト…
『マリリン・モンローと原節子』のあらまし 『マリリン・モンローと原節子』は田村千穂によって書かれた本で、2015年筑摩選書から出版されています。セクシーなマリリン・モンローと永遠の処女のような原節子というのが一般的なイメージですが、二人がいかに多面的な魅力に満ちていたかを、重要な作品に即して生き生きと描いています。 #原節子 #マリリン・モンロー今日、「マリリン・モンローと原節子」という本を図書館から借りて来ました。偶然にも、今日が原節子の誕生日だったと、Xのタイムラインで知ったのですが、彼女は1920年生まれ。マリリンは1926年6月1日。こちらのポストにきれいな画像あり。https://t…
昭和の結婚映画第2弾は小津作品! おおまかなストーリー 映画の感想 ➀戦後からわずか6年での結婚事情の変化に驚き! ②ディテールが面白いコミカルな作風がいい ③いまと変わらない鎌倉の光景に驚き! ④28歳で「売れ残り」とされる結婚観! ⑤あえて「見せない」演出が新鮮 ⑥結婚相手は日活映画で悪役を演じる二本柳寛さん! ⑦1951年という時代にして900円のケーキを食べる! ※この記事では映画の結末部分まで触れています ネタバレを回避したい方はネタバレなしの レビューをご覧になることをオススメします 昭和の結婚映画第2弾は小津作品! 前回の成瀬巳喜男監督「禍福」の 紹介記事では戦前の結婚事情につい…
青い山脈 原節子さん主演の1949年作『青い山脈』を観ました。 都会から田舎の港町に赴任してきた原節子さん演じる島崎先生が学校に蔓延る悪しき風習や慣習に対峙するというストーリーです。 この作品と関係あるようでないのですが、私は最近ブルーマウンテンのドリップコーヒーを初めて飲みました。 普段コーヒーを飲まない私でも香りの良さに気づく上品な味わいで毎日飲みたくなっています。 閑話を休題し、まずは舞台の田舎の港町がどのような町か説明すると、女学生は卒業したら嫁に行き姑などにいじめられながら日々を耐え余裕が生まれた頃には夫が浮気をしているという価値観の町です。 封建的というのか家父長制というのかはよく…
第二弾は自動車のセールスマン(ウーマン?)! おおまかなストーリー 映画の感想 ➀原節子さんが戦前としては先進的な役柄にピッタリ! ②原さんに投げかけられる差別的言動に驚き! ③他人を蹴落とそうとするほどの熾烈な社内争い! この映画のエピソード ➀「大根」と言われていた原さんの演技が好評を得た ②映画音楽と主題歌は最近脚光を浴びた服部良一さん ③原さんの妹を演じたのは江波杏子さんの母! ④山本富士子さん主演のリメイク版が存在するらしい! 第二弾は自動車のセールスマン(ウーマン?)! 女性弁護士を取り上げた第一弾に続く 働く"昭和の女性"第2弾は何とあの原節子さんが 自動車のセールスマン(ウーマ…
小早川家の秋 小津安二郎監督作の『小早川家の秋』を観ました。 京都で蔵元を営む小早川家を描き、松竹ではなく東宝傘下の宝塚映画製作所にて撮られ舞台は関西という異色の作品です。 ちょうどお盆が終わって秋が間近に迫っていそうな時期の小早川家の人々を終始写し、その中でも中村鴈治郎演じる小早川万兵衛は今までの小津作品にはいなかった父親像でした。 今作の中で中村鴈治郎は笠智衆や佐分利信が演じる父親たちのように旧制中学の旧友と娘の見合い話をすることもなく、丸の内にオフィスを構える企業の重役でもなく、帰宅して背広から着流しに着替えることもない。 笠智衆のように家族に微笑みかけたりもしないし、佐分利信のように威…
監督 山本薩男 脚本 八木保太郎 原作 石川達三 出演 香川京子 宇野重吉 南原伸二 宇津井健 三ツ矢歌子 東野英治郎 北林谷栄 高橋トヨ 沢村貞子 岸輝子 高橋昌也 殿山泰司 多々良純 松本克平 永井智雄 菅井きん 水戸光子 nipponeiga.com 香川京子 監督、山本薩男、出演が香川京子だったので宇津井健と三ツ矢歌子が登場した時に 初めて新東宝がつくったの?とビックリしましたが、配給でした。日教組のカンパで作った山本プロ製作の映画。最初は優しい女教師と子供たちとのふれあいかとおもって視聴開始。出演者がそうそうたるメンバーで、ただの作品じゃないと感じはじめ・・・ 佐賀県で実際におこった…
◎新作ロードショー ゴミ屑と花 《9月1日(日)から 東京 テアトル新宿ほかで公開》 自衛隊を辞め、ごみ収集の仕事に就いた男。1日200件の収集作業の中で、ひたむきに働く先輩女性の姿に「美しさ」を感じる。(2023年 日本 監督/大黒友也) 本日公休 《9月20日(金)から 東京 新宿武蔵野館ほかで公開》 台中の街で40年以上続く理髪店。ある日、店主は「本日公休」の札を掲げ、病床に伏した常連客のもとへ向かう。(2023年 台湾 監督/フー・ティエンユー) 西湖畔に生きる 《9月27日(金)から 東京 新宿シネマカリテほかで公開》 杭州で茶摘みの仕事をする親子。マルチ商法に嵌っていく母を救おうと…
先般、明治時代の着物姿の婦人が歩く街の景色が印象的と幾つかの映画を挙げたが、なぜかそのあと、そのような白黒映画がネットに登場してくるので、なんとなくリストを作ってしまった。 これら映画がつくられた時代は戦前の1930年から1940年代を中心とする頃である。 中には1921年制作の映画もあり映画の揺籃期で偶々インドネシアの蘭印映画史をブログしたことを思い出した。 http://jakartan.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-8127.html エジソンが発名した1896年から実験期を経て早くも1910年には日本の劇映画時代となり、またこの1930年から1…
Late Autumn/1960/JP 小津安二郎のカラー作品のなかでは『お早よう』と並び、コメディ色が強い作品。小津が繰り返し描いてきた結婚が、本作でもテーマとなっているが、父と娘ではなく、母と娘の関係性に焦点を当て、しかもその母親役を小津のミューズである原節子が演じている。 原は夫に先立たれた未亡人という役どころで、『東京物語』の紀子のその後を彷彿させるが、一人娘の司葉子と2人で暮らしている。亡き夫の親友であった佐分利信、中村伸郎、北竜二の3人が、司の嫁入りの責任を持とうとあれこれと画策する。司が結婚しようとしないのは、母が心配だからだと考え、まずは原の再婚を企てるのだが…。3人の男性陣の…
標記公演を見た(7月28日、8月4、10日 東京文化会館 大ホール)。NBS「世界バレエフェスティバル」は3年ごとに開催され、今回で17回目を迎える。A、B プロとガラ(未見)の10日間にわたり、世界で活躍するダンサー34人が集結する。これに先駆けて、東京バレエ団とゲスト主役による全幕特別プロ、マカロワ版『ラ・バヤデール』が上演された。2キャストのうち、オリガ・スミルノワのニキヤ、ヴィクター・カイシェタのソロルを見た。 二人はロシアのウクライナ侵攻以後、それぞれボリショイ・バレエ、マリインスキー・バレエからオランダ国立バレエ団に移籍している。本来はソロルにマリインスキー・バレエのキム・キミンが…
伝え続けねばならぬ歴史(2024年8月18日『産経新聞』-「産経抄」) 第5方面軍司令官として北海道防衛の策を練る樋口季一郎中将(孫の隆一氏提供) 多くの国民は、昭和天皇の玉音放送を聞き終戦を知った。<父母(ちちはは)の泣けば幼き子等までがラヂオの前に声あげて泣く>高見楢吉。昭和20年8月15日の点描である。大本営は翌16日、各方面の軍に戦闘行動の即時停止を命じている。 ▼自衛目的の戦闘についても、18日午後4時を刻限に銃を置くよう通達があった。ソ連軍が千島列島最北端の占守島に上陸を開始したのは、その18日だった。「断乎、反撃に転じ、上陸軍を粉砕せよ」。現地の守備隊に、そう命じたのは第5方面軍…
監督 松田定次 脚本 比佐芳武 原作 横溝正史 出演 片岡千恵蔵 多喜川千鶴 進藤英太郎 月宮乙女 大友柳太郎 小杉勇 三宅邦子 千石規子 斉藤達雄 原泉 1949年に作られた片岡千恵蔵の金田一耕助シリーズ第2作「獄門島」と「獄門島 解明編」の前後作をひとつにした総集編。登場人物も多く、展開が早く、カットされている部分が60分もあるらしくてちょっとよくわからない(;^_^A。 復員船内で亡くなった戦友の遺言を伝えようと獄門島を訪れた金田一耕助(片岡千恵蔵)戦友は鬼頭家の長男であったが、島内ではその本鬼頭と分鬼頭が反目しあっている。亡くなった本鬼頭家の戦友は「3人の妹が殺される」と謎の言葉を残し…
小学校3年生の頃のクラスメイトに大人びた女の子がいた。 品の良い丁寧な言葉遣いで、今思えばまるで小津安二郎監督映画の原節子さんのセリフのような言い回しで、きっと立派なご家庭のお嬢様なのだろうと思っていた。 誰とでもお友達になれるようなオープンマインドの女の子で、引っ込み思案な私も遊びのグループに誘ってくれた。 ある日のおしゃべりで彼女のお母さんについて話になった。 彼女の幼い身の上話はお母さまが彼女が小さなころ亡くなってしまったということを涙目になりながら話してくれた。 彼女を育ててくれているのはおばあ様ということで、この並外れて丁寧な言葉遣いはきっとおばあ様仕込みなのだろう、とその時思った。…
昨年12月のツイートを同月「フィールドワーク予定」に追記した感想メモ、公演名を立てて再掲する。 芸劇 dance ワークショップ2023 発表公演『√オーランドー 身体的冒険と三百年の遊び』を見た(12月24日(日)13:00/芸劇シアターイースト)。 原案:ヴァージニア・ウルフ『オーランドー』/講師・構成・振付・出演:中村 蓉/出演:芸劇danceワークショップ2023『√オーランドー』参加者;秋山舜稀 内田颯太 川島信義 佐藤正宗 中野亜美 中野利香 中森千賀 幡野智子 廣庭賢里 巻島みのり 森口ありあ 大和奈月 山本結 吉村元希 律子/スペシャリスト(各専門分野の視点から作品創作にご協力…
美人女優といえば原節子、と聞かされていたのは私がまだ子どもの頃のことだ。しかし、かなりおとなになるまで原節子本人を銀幕上でも見たことがなかった。近所に松竹系の映画館がなかったわけじゃない。親父に連れられて、紅座(べにざ)という映画館に花菱アチャコと伴淳三郎、上田吉二郎なんてのがでていた「二等兵物語」を何本も見に行ったんだから。「二等兵物語」は1955年から1958年にかけて6本も作られていたらしい。しかし、うちの親父のセンスは所詮アチャコ・伴淳であって、『晩春』(1949年)、『麦秋』(1951年)、『東京物語』(1953年)路線でないことは明白だった。おかげで自分も上田吉二郎のモノマネを得意…
リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラかく語りき」は、ニーチェの同題の叙事詩からインスピレーションを得て書かれた交響詩だが、特にその冒頭の部分が有名で、スタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」の冒頭でも、この部分が使われて、さらにこの部分だけが有名になった。だが、そのために、残りの部分がつまらないように思われて、最初がいいだけ、と思っている人も少なくないようである。 かく言う私も、長いこと、最初の部分がいいだけで後は退屈だと思ってきた。ただ時に、残りの部分がいいんだ、というようなことを言う人もいたが、どうせ「逆張り」だろうと(当時そういう言葉はなかったが)聞き流してきた。 …
マッティ・ペロンパーはもちろん、カティ・オウティネンさんも出てなくて、冒頭すぐゼレンスキー大統領がロシアのウクライナ侵攻についてコメントするのがラジオから聞こえてくる。今までと違う時代だ。いまこの瞬間だ。これまではこの監督の作品を、遠いヨーロッパの寒い国の少し昔の出来事だと思って安心して見ていたのに、急に自分の身近なこととして突きつけられる。フィンランドが意識するロシアは、ベトナムの人が意識する中国に似ている。 不愛想な若い女役を引き継いだのはアルマ・ポウスティ、アル中の労働者役を引き継いだのはユッシ・ヴァタネン。二人とも前担当者に似てはいないけど、いかにもいそうな存在感は共通してる。…アルマ…
◎新作ロードショー 劇場版 アナウンサーたちの戦争 《8月16日(金)から 東京 TOHOシネマズ日比谷ほかで公開》 2023年放送の終戦ドラマを基に映画化。太平洋戦争下でのNHKアナウンサーたちの活動を描く。(2023年 日本 監督/一木正恵) 助産師たちの夜が明ける 《8月16日(金)から 東京 ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで公開》 産科病棟に初出勤したふたりの新人。緊急の対応が必要な出産に立ち会う中で成長していく。(2023年 フランス 監督/レア・フェネール) 心平、 《8月17日(土)から 東京 新宿 K’s cinemaほかで公開》 2014年の福島。原発事故の影響で無職とな…