古い物語の中に新しい感性がやどっている 日本、成瀬巳喜男監督 94分 原作は川端康成、脚色は水木洋子 鎌倉の閑静な住宅街、62歳の尾形信吾は息子修一に迎えた嫁菊子にとって優しい舅だった。 息子修一は信吾が重役をつとめる会社の社員、結婚生活わずか数年というのに、もう他に女をつくり、家をたびたび開けた。信吾は社の女事務員からそれと聴いて、愚痴もこぼさず、ひたすら耐える菊子に不憫さを感じるようになった。 ある日、修一の妹房子が夫といさかって二人の子供ともども家出してきた。信吾はむかし修一を可愛がるように房子を可愛がらなかった。それが今、菊子へのなにくれとない心遣いを見て、房子はいよいよひがむ。 家事…