田中絹代監督作。彼女は木下惠介『陸軍』1944で名演技を見せた女優である、映画を撮つてゐるとは知らなんだ。 利休の娘、堺の商人で茶人の万代屋宗安の妻であるお吟(名は創作らしい)と、高山右近との痴話である。利休関連の映画の中で最も程度の低い映画ではないか。まだ『利休にたずねよ』を見てをらぬから、ワーストを更新する可能性はあるが。 『陸軍』のラストシーンは、兎に角良い。 www.youtube.com 父母の慈愛に抱かれて 男子となりて幾年ぞ身は軍服に包むとも 君に見えざるこの戦胸に受け継ぐ祖先の血 流れて永久に国護る 国にふたつの道あらず 人にふたつの心なし兵の道こそ一億の 心とすべき我が身なれ…