かに太郎の外観 どこか遠い過去へと時間が巻き戻されたような場所が、国道沿いに静かに佇んでいる。 その名は「かに太郎」。訪れたのは、白老町。 店の前に広がる太平洋の大きな海原に、自然と心が解き放たれる。 そしてその場所に、30分前に到着したのは偶然だったが、それが後に、まるで何かに導かれたかのように思えた。 店の前には、すでに数組の人々が列を作っている。 その姿を見て、ふと、「これが日常の一幕なのか、それとも旅の一部なのか」という問いが胸に浮かんだが、答えは求めず、列の最後尾に並んだ。 店の建物は、昭和の時代からそのまま取り残されたかのような古びた佇まい。時間がここだけを置き去りにしたようだ。 …