●歌は、「相思はぬ人を思うは大寺の餓鬼の後ろに額づくがごと」である。 がんこ一徹長屋 万葉歌碑(笠女郎) ●歌碑は、奈良市西ノ京町 がんこ一徹長屋にある。 ●歌をみていこう。 ◆不相念 人乎思者 大寺之 餓鬼之後尓 額衝如 (笠女郎 巻四 六〇八) ≪書き下し≫相(あひ)思(おも)はぬ人を思ふは大寺(おほてら)の餓鬼(がき)の後方(しりへ)に額(ぬか)づくごとし (訳)私を思ってもくれない人を思うのは、大寺の餓鬼像のうしろから地に額(ぬか)ずいて拝むようなものです。(同上) (注)餓鬼像:餓鬼道に堕ちた亡者の像。 (注)餓鬼の後方に額づくごとし:餓鬼像を背後から拝んでも効果がない。自嘲の戯れの…