ユキミ・オガワの短編「さいはての美術館」The Portrait of a Survivor, Observed from the Water by Yukimi Ogawa を読んだ。翻訳した(『SFマガジン』二〇二四年四月号掲載)。普通に小説を読むよりも丹念に、単語単位で行きつ戻りつして読んだため、脳内にくっきりと像を結んだことがある。これは嫉妬の物語だ。 【ここから先は、「さいはての美術館」の内容に触れます】 「さいはての美術館」扉絵 舞台は小さな惑星に建つ美術館。登場するキャラクターは、おもに〈あなた〉と〈彼女〉、それに〈学芸員〉。 (あなたとあるが、これは高い視点からキャラクターを描…