【128話】 俺はガンちゃんの単車の後ろに乗り、カキヤマの家がある最寄り駅で待ち合わせした。 駅に降り立つと、カキヤマの原チャリが目に入った。 黒の『ホンダ・タクト』で、シートが狭くて二人乗りは厳しそうだ。 ダイスケは少し不安そうにカキヤマの原チャの後ろに乗り込んだ。 途中、コンビニに寄り道しビールとおつまみを買った。 カキヤマの家は平屋建ての古びたアパートで、見るからに年月が経っている感じがした。 玄関に向かうとカキヤマが手招きして、「こっちだ」と窓から入れるように案内してくれた。 部屋に入ると、6畳ほどの空間に炬燵が置かれていた。 俺たちはまずビールで乾杯した。 「この時間、親はいないの?…