さて、『イリアム』の続きである『オリュンポス』の感想である。 一言でいえば、ずいぶんと失速してしまったなというところである。『イリアム』は掛け値無く面白かった。ハイペリオンから期待して入ってくる読者も満足できるものであった。しかし、『オリュンポス』はどうだろう。つまらないというほどではないが、イリアムの牽引力でオリュンポスを読了させたような、そんな感じがしなくもない。『イリアム』の最後は、著者ダン・シモンズが構築する世界の全ての歯車が回りだし、ようやく世界が動くという期待感を残しての最後だっただけに、オリュンポスがその期待に応えるだけの物語の動きを見せたかというと、否定せざるを得ない。これは、…