感想 舞台芸術界でのダンサーたちの嫉妬や野心も描かれており、舞台監督の指導の凄まじさに驚く。この世界に労働基準法は無関係なのか。誰も逆らえない誉田(ほんだ)の指導法がいくつもの犯罪の火種を振りまいているように見える。 「芦沢央が放つ、脳天を直撃する傑作長編ミステリー」と紹介されているが、探偵または探偵役が謎解きをするわけではなく、現在の状況 → 犯罪が起こるまでの物語 → 事件 → 事件直後の物語 → 「それは、絶対誰にも話すな」 → カインは言わなかった → 公演 → 犯人逮捕 → 犯人逮捕後の物語 といった流れの中で語られ、真相が読者の前に明らかになる。 このため、探偵が謎を解いたというス…