2010年発表の本書は、宝島社が主催する「このミステリーがすごい(このミス)大賞」で隠し玉賞を受賞した作品。作者の七尾与史は、その後「死亡フラグシリーズ」4作を始め、40作ほどを発表。本書と「ドS刑事」の2作が映像化されている。 この賞は新人作家の登竜門として(大賞賞金1,200万円)知られているが、あまり正統派ミステリーが集まる印象がない。本書も少し軽めの作品。テーマは「事故に見せかけて依頼された目標を殺害する殺し屋」で、殺し屋が「死神」と呼ばれるなど興味深い設定ではある。しかし主人公(と言っていいだろう)崖っぷちルポライター陣内がクビをかけて「死神」を追う姿や、登場する松重(!)というヤク…