アウシュビッツ収容所が解放されて80年に『有明抄(250128)』は思う◆ひとの指先から生み出されるもの。一人の将校が一列に並んだ人びとを左右に振り分けていく。左は労働へ、体の弱そうな者はガス室送りの右へ。V・フランクルの体験◆同じころイルゼ・ウェーバーという詩人・作曲家がいた。彼女は強制収容所で子どもたちのために子守歌を作った。ガス室に送られる子がそれを歌えば、知らずにガスを吸い込んで苦しまず死ねる。自身も一緒に歌を口ずさんで亡くなったと◆ひとの愚かさと、それでも尊厳を失わなかったひとの強さを思う◆ヒトラーは自殺の直前に「100年後には新たな思想が生まれるだろう。宗教のように新しいナチズムが…