貨幣は、人類の進歩に大きく貢献してきました。取引は、物々交換の時代よりも、モノと貨幣の交換が行われるようになって手間を省けました。また、貨幣は、モノの価値を測る尺度としても使え、異なるモノの価値の比較を可能にしました。さらに貨幣は蓄えることもできるので、蓄財が容易となりました。貨幣経済の発展は、帳簿の発展、すなわち会計学の発展にも大きく貢献しました。金の動きを記録する帳簿は、貨幣経済の発展と共に進化を遂げ、複式簿記の開発につながります。しかし、帳簿の発展はゆっくりとしたもので、数百年間変化がありませんでした。ところが、世の中に鉄道が登場したことで、帳簿は瞬く間に進化を遂げていきます。