david lynch 誰にでも貧乏な時代はある。デイビッド・リンチにとっては、フィラデルフィア、美大生時代だった。 お金はないけど、大きなアトリエが欲しい。そのためには、多少危険なところでも、目をつむろう。夕方になると人がたむろする、あやしい通りに面していたが、キャンバスが立てられる広い部屋に決めた。 ドロボウが出るようなところなら、ドロボウは入ってこないだろうと考えた。 この考えは、大間違いだった。路上で子供が殺され、窓が壊され、2回も空き巣に入られ、クルマが盗まれた。警察車がスピードをゆるめないでパトロールして行く通りだった。とにかく、夜の物音が一番こわかった。 家賃を折半してくれる同級…