副題は「アフガン帰還兵の証言」。 原著は1991年刊。日本語訳は、故・三浦みどりさんの訳で、1995年、日本経済新聞社から『アフガン帰還兵の証言』という題名で刊行されています。今回改めて、奈倉有里さんの新訳で、岩波書店から増補版(裁判記録付)として刊行されたのが本書です。裁判記録が付されたことで、改めて著者スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチさんの「聞き書き」という仕事と文学の意義を考えさせる内容になっています。 話は、ソ連邦崩壊前の事、1979年にブレジネフ政権時代に開始され、10年後のゴルバチョフ政権下に終わることになるアフガニスタンへの軍事介入にかかわる証言録です――ソ連のアフガニスタン侵…