実家の庭に、青い夜が降りてくる。 カメラマンたちが「ブルーアワー」と呼ぶ、空が最も深く、静謐な藍色に染まる時間帯だ。 僕は納屋から引っ張り出した「ソロストーブ レンジャー」を地面に置く。 傍らには、以前、庭師の手を借りずに剪定した梅の木の枝。乾燥していい具合に枯れたそれを、膝でバキッと折って炉にくべる。 着火剤なんて洒落たものはいらない。 実家の玄関に積まれていたAmazonの空き段ボールをちぎり、底に放り込んでマッチを擦るだけだ。 「ボッ」 乾いた段ボールが瞬く間に火を呼び、梅の枝へと熱を移していく。 普通の焚き火台なら、ここで盛大な煙に巻かれるところだが、このストーブは違う。立ち上がった煙…