トーヨコ広場の中央に、男がふたり横たわっている。酔いつぶれているのか、眠っているのか。ふたりとも身長サイズのダンボールをしっかり敷いているのが、笑える。 古研の若者たちとの散策活動が無事お開きとなって、最年長OBの鎌田君と一献傾ける。吉祥寺のアーケード商店街から私道のような枝路地へともぐり込んで、懐かしい香りのするハモニカ横丁の一軒だ。 初期の古研会員は、日芸出身者と早稲田出身者との混成軍だった。掛持ち教員だった私が、両職場の学生諸君を視さかいなく古書店歩きに誘ったからである。会員同士もすぐ仲良くなり、私なんぞの頭越しに繁く交流してくれるようになった。二十年以上経った今となっては、てっきり通じ…