あちらからはこちらが、どう見えているのだろうか。 学生にとっての試験期間や入試時期も過ぎ、好過ぎるほどの陽気にも恵まれ、古本屋研究会の散策企画が催され、若者たちの尻尾について歩かせてもらった。今回は眼の色を変えて古書店を縫って歩くというよりも、文豪の墓詣りをしながら、道すがらの書店にまで足を伸ばすという企画だった。 山手線巣鴨駅に集合。駅前広場の隅で輪となって、会長から今日の順路予定を伺う。まず染井霊園へと歩く。国道両側の繁華街の庇の上は、太陽光パネルが隙間なく並んで黒光りしている。 この国道は、なにをかくそう中山道。対岸に見える枝道「お婆ちゃんの原宿」こと「とげ抜き地蔵通り」が旧中山道だ。 …