シマッタ。シモクレンが満開になってしまっていた。金剛院さまご境内の大師堂の前である。 木蓮の花は、ツボミがほころんで、かすかに咲き初めるところを観るべきものだ。手ぬかりであった。 先月上旬に詣った。母の命日だった。枝垂れ梅が満開だったが、木蓮の花は影も形もなかった。母の在世誕生日だった三月十日あたりなら、ちょうど好かったのだろうか。来なかった。同月中には春彼岸がやって来るので、マ、イイカと思ってしまったのだ。 「すっかり遅くなりまして。せめてお中日にはと思っていたら、昨日が雨で。齢のせいか、少し冷えるとすっかり出不精になりましてね。申しわけございません」 「皆さん、さようですよ。今日あたりお詣…