日芸祭開催初日である。ということは学生古書店「堂々堂」の今年度営業初日である。 午前十時開店と聴いていたが、正午をわずかに回ったころ正門前に到着。まず守衛所へ出頭。新進気鋭の多い講師陣よりは、ベテラン守衛さんがたに顔馴染みが多い。 「今日は入構手続き不要です。フリーパスでお通りください」 たぶんさようかとは思ったが、顔出しは大切だ。守衛所で時候や無沙汰の挨拶そして世間噺を長ながとしてゆく来校者など、多くはあるまい。 「皆さんでお茶のときにでも」 今年は立ったままの一服でも気軽に摘めるように、「おかき詰合せ」にした。 次に文芸学科事務室へ。学生にとってのよろず相談窓口でもあり、事務や資料室の職員…