ロールキャベツを食べた。 古い仲間から来信。中国からご友人が来日中につき、一献傾けるから私も話相手に加えてやるから、新宿まで出てこいとの誘いだ。ものぐさとエネルギー不足とからすっかり出不精になり果てている私にとっては、ありがたいお誘いといえる。 仲間は五十五歳を機にテレビ番組制作を退職して中国に住み、日本語とテレビ技術の指導をして過した。疫病禍で両国間の往来が思うに任せぬようになり、やむなく帰国して数年になる。ご友人は近現代日本文学の研究者で、北京の大学教授だという。仕事で知合い、個人的にも親しくなったそうだ。来信には教授の日本語による論文が三篇ほど添付されてあった。日がなかったので、失礼なが…