第三章 ネクローシス 02「ブレイン・バンク」 定時を告げる17時のチャイムが聞こえる中、舞は栄養部でデータ整理を続けていた。 ふと、パソコンの画面に小絵からのメッセージが表示される。残業の要請だ。 ちらりと小絵の席を見やってると、神妙な面持ちだった。その表情から、重要な話だ。 やがて、オフィスに残るのは、舞と小絵の二人だけとなった。舞が小絵のデスクに歩み寄ると、小絵は哀しげに微笑みながら告げた。 「ブレイン・バンク」と呼ばれるシステムで、医局長は、死後すぐに脳を取り出して解剖が行われた。 舞はその詳細を聞きながら、錦城の死因に疑問を抱く。また、彼の胃の中には大量の食べ物が残っていた。 舞は、…