この小説、めちゃくちゃ濃いわ。 マザーコード (ハヤカワ文庫SF) 作者:キャロル スタイヴァース 早川書房 Amazon とりわけ前半部分のバイオ技術に関する情報粒度がすこぶる高い。著者が生化学の博士号を取得していることもあるだろうけど、それだけにとどまらず、専門外のロボット、AIに関する調査量もエグい。なので、ジャーナル論文みたいなわりと格式ばったスタイルを好む人にフィットする印象。わたし自身、そういうハードタイプの読み物を好むたちなので、終始惹きつけられた。 2049年。アフガニスタンで使用されたバイオ兵器が暴走し、致死的病原体となって世界じゅうに広まった。人類滅亡を目前にして、遺伝子操…