モンテヴェルディの舞台は初めて。音だけ聴いていてもさっぱり良さがわからなかったのだけれど、舞台で見るとなかなかどうして面白かった。濵田芳通とアントネッロによる演奏の『オルフェオ』、兵庫県立芸術文化センターの中ホールで。バロックオペラといっても、ヘンデルのようにレシタティーヴォとアリアがはっきり分かれているのではなくて、歌いながらどんどん劇が進行していくので、中だるみしなくて退屈しない。感情の起伏と揺れが激しく、婚礼での無礼講のどんちゃん騒ぎから冥界の王の厳かな命令まで、過剰なほどの豊かな表現だった。とりわけ、メリスマというのだったか、一つの母音を引き延ばしながら華麗に装飾的に音を転がすやり方、…