ブラックサンタ

童話を作ったきっかけや童話に込めた思いを書きたいと思います。 今回は、【ブラックサンタから、ママを取り戻せ！】です。 私は、小学生の時に見たサンタクロースの映画が、 とても面白くて、それからサンタクロースが大好きになりました。 毎年、サンタクロースの童話を書きたいと思いまして、 カテゴリーも、サンタクロースにしました。 サンタクロースの童話は、たくさんあります。 読むと、温かな気持ちになります。 この童話を読んでくださった方が、 温かい気持ちになってくれたらいいなあ という気持ちをこめて書きました。 読んでくださって、ありがとうございます。 1330stars.hatenablog.jp 13…

クマチに顔をうずめて泣いた。 「わー、わー」泣いた。 どれくらい泣いたか分からない。 「大丈夫？」 クマチの声がして、私は、ゆっくりと顔をあげた。 そこはブラックサンタの家ではなかった。 整理整頓されたキレイな部屋だった。 私は暖炉の前に座って、クマチを抱きしめていた。 「ここは、どこなの？」 私は、顔に残った涙を拭きながら聞いた。 「サンタクロースの家だよ。ぼくが生まれたところ。」 そこは、とっても温かかった。 とっても静かで、とってもホッとできる場所だった。 私は、クマチを抱きしめながら、 暖炉の火をぼーっと眺めていた。 これから、どうすればいいんだろう。 暖炉の火は、パチパチと音をたてて…

僕は職場に水筒を持って行っています。いわゆる、マイボトル的な。 先週、長女と次女が立て続けに忘れ物をしたという話をしていました。 僕は、「お父さんは、忘れ物なんてほとんどしたことない」と、うそぶいておいたのですが、 その日、いきなりマイボトルを忘れて出勤しました。 家に帰ると、珍しく、長女が玄関までダッシュで出てきて、僕のことを指をさして言いました。 「こいつ、忘れ物しやがったー！」（言葉がきたない）と。 かくして、僕には、特大ブーメランがぶっ刺さったのでした。 ところで、季節はクリスマスですね。 ウチの子たちはまだサンタクロースを信じているので、今年も僕はサンタクロースの友達であるという体で…

私は、震える膝にギュッと力を入れた。 目の前の薄暗い家は、本当にブラックサンタの家なんだろうか？ 木々に覆われて、家が半分も見えない。 風で揺れる木々たちが、「早く入れ」と急き立てている。 今、なぜ、私がこんな所にいるのかというと、 １２月２４日クリスマスイヴに遡る・・・ 明日は、いよいよクリスマス！ 今日は早く寝て、明日の朝には・・・うふふ。 学校からの帰り道、自然と顔はニヤケ、体はスキップしていた。 「ただいまー。」 「おかえり。寒かったでしょう？」 ママがキッチンから顔を出した。 「そんなでもない。」 私はランドセルをおいて、テレビをオンにした。 「まずは、手洗いうがい。」 急に、ママの…