オランダ出身の指揮者ベルナルト・ハイティンク(1929~2021)積極的にきいた指揮者ではありませんでした。それは彼の活動した時期には大勢の個性豊かな指揮者が活動しており、良い指揮者ではあるけれども「正統的」「正攻法」といった解釈で常識的な範囲内に収まるという評論に乗っかっていました。 若くしてオランダのコンセルトヘボウ・オーケストラの正指揮者になったけれども、それゆえかもしれませんが、ある意味「守り」に入った「老成」した、「枯れた」指揮者というイメージがついていました。また、彼のレパートリーの主軸となるものがドイツ・オーストリア音楽=ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、マーラーといった…