なぜ中村屋はカリーなのか、『国原譜(250430)』は語る。「中村屋のボース」(中島岳志著、白水社)を読んで知る。英国植民地のインドで独立運動の闘士であったラース・ビーハリー・ボースは1915年に日本に亡命、当時は日英同盟下にあったため官憲に追われ、とある縁から東京新宿にある中村屋に身を隠す。そこで店に伝授したのが、インドから英国経由の日本カレーでなく本場のカレー。あえてカリーと称した。ボースは中村屋の娘と結婚。悲願のインド独立のため当時の日本の軍部と共闘するが、軍部のアジア解放は建前であり、やがて戦争の嵐に巻き込まれていく。戦後、忘れ去られていたボースの生涯、ナショナリズムと大東亜戦争の正体…