巨匠コッポラの新作「メガロポリス」を見ました。評判が散々なので心配していたのですが私は楽しませてもらいました。分かりにくい映画です。しかし、各場面はよく作りこまれているので強い力で引きこまれます。映画と想像の世界が混ざり合っているところは「君たちはどう生きるか」のようです。文明が進歩した結果、退廃の香りが強く漂うところはフェリーニの「甘い生活」ですね。途中で偽のエルビスが星条旗を持って歌うところはトランプへの皮肉でしょうか。しかも歌い終わって「アリガト」と日本語でお礼を言うのはなぜ。謎の部分は見た人が様々に解釈して楽しめばいいし、とにかく次々に繰り広げられる深遠な言葉と幻影。それは豊かな滋養に…