[英] roundabout (略称:RAB)
ラウンドアバウトとは、以下の特徴を備えた円形の交差点のこと。ラウンダバウト、ロータリー、単にcircleとも呼ばれる。
上記のうち、1、2番目のみの条件をみたしたものは特に日本では「ロータリー(式交差点)」と呼び、全ての条件を満たした近代的なラウンドアバウトとは区別される場合が多い。
ラウンドアバウトは1960年代に英国で生まれ、その後欧州やその文化を色濃く残した旧植民地国などで普及していった。米国においては1990年代以降、約2,000カ所で整備され、連邦高速道路局が2010年にまとめた報告によると、ラウンドアバウト55カ所の導入前後の交通事故件数は年1,122件から726件に減少し、人身事故に限れば296件から72件の大幅減だったという。同様の効果はオランダやドイツ、デンマークでも報告されているという。
日本では、2010年、長野県飯田市が、国際交通安全学会と一緒に、ラウンドアバウト方式の導入に向けて社会実験を開始した。その結果、従来の交差点と違って出合い頭の事故が起きにくく、重大事故も減らせるという結果が得られ、東日本大震災のような災害時も停電の影響を受けず、信号機器の維持管理費も不要というメリットも考慮され、2013年2月、約4700万円かけて飯田市中心部での本格導入に踏み切った。
また、2012年11月−2014年1月には長野県軽井沢町にて、2014年1月−2月には静岡県焼津市にて、2014年1月−3月には滋賀県守山市にて、それぞれ国土交通省と共同で社会実験が行われている。
このほかにも、長野県安曇野市、須坂市と静岡県駿東郡小山町がラウンドアバウトの普及を考える全国サミットに参加しており、導入に向けて検討を進めている。
こうした流れを受けて、2014年9月施行の改正道路交通法で、ラウンドアバウトを新たに「環状交差点」と名付け、標識と通行ルールも定めることになった。国土交通省も改正道交法の施行までに、どのような交差点にラウンドアバウトが適しているのか、設計でどういったことに注意すべきかについて自治体向けにまとめる予定としている。
円形に走る環流路に優先権がある。そのため環流路に侵入する車は一時停止もしくは徐行し、安全を確認してから合流サインを出して進入する。
この事から非常に交通量の多い交差点には不向きである*2一方、一定量以下の交通量の交差点では流れがスムーズになる。
直線的に抜ける事ができないような構造になっており、必ず環流路を回る経路を通る事になる。
これにより自然に走行速度を抑制する事ができる。
これに対し日本で普及しているロータリー交差点では、流入路の交通を妨げないためにできる限り直線的な流れになるような形状になっている事が多い。
流入路が2車線であれば、必ず環流路も2車線以上ある必要がある。
ただし、2車線以上のランドアバウトは事故が多いと言う研究結果があり、それを解決するためにラウンドアバウトへの進入路を1車線に制限したり、あるいはラウンドアバウトの中にラウンドアバウトを設けた「マジックラウンドアバウト」というものも考案されている。
自主的に整頓されて車が流れるため、信号が不要である。