~「記憶」を操られた女の悲劇とその結末~ 海外ミステリー小説が好きな方は、今から6年前「このミステリーがすごい(略してこのミス)2015」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、「本屋大賞翻訳小説部門」第1位と、この年のミステリー界を席巻した「その女アレックス」を記憶しておられるでしょう。本来この作品はシリーズの2作目で、日本では第1作となる「悲しみのイレーヌ」に先がけて発売されたため、ストーリーに順逆の混乱が生じた面もありましたが、その内容の凄まじさが聊かも減ずることはなく、60万部の大ヒットを記録しました。未読の方はぜひ手に取ってみてください。さて「その女アレックス」の作者、ピエー…