富士重工業(スバル)の乗用車。
スバル1000、スバルff-1から受け継がれた水平対向エンジンを搭載した乗用車で、1971年に登場、以降1989年にレガシィが登場するまで*1富士重工業の主幹となる車種として活躍する。
初代レオーネを語るにおいて外せないエピソードが「世界初の乗用車型4WD車」に関する話題であると思われる。積雪地方にある東北電力では当時、アメリカのジープをメンテナンス用の自動車として利用していたが、思いの外トラブルが多く、また元来軍用車輌であるが故の不便さは隠せなかった。そこで東北電力は水平対向エンジンを縦置きにした「スバルff-1」(前輪駆動車)にドライブシャフトを付けて後輪も駆動させることで、四輪駆動車にできないか、という話を宮城スバルを通して富士重工に持ちかけたが、もちろん富士重工も簡単にはOKしなかった。そこで東北電力は発売して間もないスバルff-1の後継車、スバルレオーネを購入し、日産ブルーバードのドライブシャフト、デフを無理矢理取り付け試作車を製作、富士重工に持ち込んだ。
この試作車をモデルに量産、販売されたのがレオーネバン4WDであった。ここに、現在まで受け継がれている「縦置き水平対向エンジン+4WD」というレイアウトが完成したわけである。
画像の車はA22型エステートバン・4WD。
*1:レガシィの発売以降も1992年のインプレッサの発売まで生産された。またレオーネバンに関しては日産からADバンのOEMを受けて1996年まで販売されていた。