ダグ・スミスがAppleII用に開発し、1983年にブローダーバンド社から発売されたパソコン用アクションパズルゲーム。
主人公(ランナー)を操り、ロボット番兵の追手をかわしつつ、坑内の金塊をすべて回収して脱出せよ。
ゲームを支配するルールの中でランダムな要素は最小限に抑えられており、ロジカル(故に少し間抜け)な追跡をする番兵の動きが最大の特徴。ランナーの穴を掘る能力とその穴が自然に埋まる時間などと併せて、高度なパズル性をもつゲームに仕上がっている。
その面白さにより、当時のほとんどのパソコンやゲーム機に移植版が作られた。日本ではシステムソフト製のパソコン各機種版、ハドソン製のファミコン版、アイレム製のアーケード版が特に有名。
現在でも、その時期の何らかのプラットフォームで、仕様を変えつつも最新作が根強くリリースされている。
ブローダーバンド版の時点で「悪のバンゲリング帝国から金塊を奪取する正義のランナー」という設定が与えられている。これは言うまでもなくファミコンで有名なゲーム「バンゲリングベイ」と同じ舞台である。アイレムのアーケード版でも二作目で「バンゲリング帝国の逆襲」という副題がつけられた。
ところが、ファミコン版では敵のロボット兵が後発作品であるハドソンオリジナルの「ボンバーマン」の主人公キャラとされ、「ボンバーマン」のエンディングでロボット兵がロードランナーに生まれ変わるというオリジナル設定が付加されて、しかもその後ボンバーマンの方が世界を大きく広げてしまったのでバンゲリング帝国という舞台との関係はよくわからなくなった。
蛇足ながら、タイトルの「ロードランナー」は直訳すれば「坑道走者」であり、「道路走者(Road Runner)」ではない。コヨーテの妨害を撥ね退けて走る有名なアニメキャラクターは後者であるが、ダチョウではなくロードランナー(ミチバシリ)という種類の鳥である。