「ヴァレンヌ事件」パリに連れ戻されるルイ16世一家 王妃の密かな決意とは 1789年10月5日に起こった「ヴェルサイユ行進」で、パリに連れてこられたフランス国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネット一家。 かつて絶対王権を奮った太陽王ルイ14世の居城、華麗なるヴェルサイユ宮殿から、パリ市内の旧王宮、蜘蛛の巣の張ったチュイルリー宮殿に、国王が民衆によって「拉致監禁」されたのは、フランス始まって以来の大事件でした。 誇り高いハプスブルク家の出身、マリー・アントワネットにとって、これは耐え難い屈辱でした。 これまで、母帝、兄帝や忠臣たちの忠告もきかず、やりたい放題で、放蕩三昧、贅沢三昧だった彼女は、…