根来の鉄砲隊といえば、やはり杉乃坊だ。そもそも種子島から火縄銃を持ち込んだのが杉乃坊算長で、津田流砲術という日本初の鉄砲術の流派を起こすくらいだから、当たり前と言えば当たり前なのであるが。この津田流をさらに発展させたのが、彼の子であり兄の養子となって門跡を継ぎ、杉乃坊の最後の門主となった、杉之坊照算こと自由斎である。彼は自由斎流という流派をたて、これを世に広めた。 この杉乃坊系列の子院に、左京院という子院がある。左京院は和泉国日根郡・入山田村大木を本拠とする、奥左近家という土豪が設立した子院である。子院の門主の名を左京院友章(友童?)、別名を行来(おく)左京とも言い、当時の人々の間でも良く知ら…