「満員御礼」の札が貼られた柳家さん喬独演会の会場出入り口 柳家さん喬独演会が6月28日、三鷹市芸術文化センターであった。 前座の柳家小きちの落語の次に『片棒』を、9月に真打ち昇進が予定されている二ツ目・柳家やなぎの『猫の災難』に続いて『子別れ』と前半に2席を演じた。 中入り後はストレート松浦がお手玉や皿を使ったジャグリングのあと、『唐茄子屋(とうなすや)政談』を語った。 一人ごちるように小さな声で語り、聞き耳を立たせるかと思えば、張りのある声が一気にまどろみを破る。円熟の語りに引き込まれたのは3席目の唐茄子屋政談だ。 勘当された若旦那が主人公の人情噺(ばなし)は笑いのクッションが少ない分、つい…