私の実家は、父が転勤の多い仕事だったこともあり、実際には15年ほどしか住んでいません。それでも不思議なもので、40年以上の時を経ても、玄関のドアを開けた瞬間、「ああ、帰ってきたな」と、胸の奥がほっと緩むのを感じます。 これまでの人生、海外留学、国際結婚と流れに身を任せてきましたが、今ではカリフォルニアとシンガポールの二拠点生活。家と呼べる場所はいくつかありますが、どこかまだ「本当の家」という感覚は見つかっていません。そういう宙ぶらりんな感覚もあってか、実家に帰ると、思いがけず自分の居場所を見つけたような気になります。 お気に入りの場所は、一階の畳の部屋。床の間があり、夕方になると西日が差し込む…