中野京子著『そして、すべては迷宮へ』を読みました。本作は文春文庫オリジナルなので、元になった単行本はないようです(⇩) books.bunshun.jp 中野京子氏(以下、中野氏)といえば西洋絵画の解説本が有名ですが、本作の内容は絵画の解説だけではありません。第一章は読み慣れた絵画解説ですが、第二章では有名人について述べたり、人生についてのエッセイがあったり。第三章では書評したりと、今までの絵画解説本とは少し毛色がちがいます。それもそのはず、この本は新聞や雑誌に掲載された中野氏の記事をまとめたものなのです。中野氏が書いた記事の寄せ集めなので、このようにとりとめのない内容になっているんですね。文…