クラシック声楽家の所属するグループ。
ワーグナー:歌劇『タンホイザー』2024年3月3日(日) 東京文化会館 タンホイザー:片寄純也 エリーザベト:梶田真未 ヴォルフラム:友清 崇 ヴェーヌス:土屋優子 指揮:アクセル・コーバー 管弦楽:読売日本交響楽団 合唱:二期会合唱団 演出:キース・ウォーナー フランス国立ラン劇場と提携した本プロダクションは2021年に続く2度目の上演ですが、自分は今回が初めて。アクセル・コーバー氏によるバイロイトの音が東京文化会館に響くことを期待したものです。 席はもちろん5階席。舞台が見切れていたり床しか見えなくてもなんのその、都民芸術フェスティバル(東京都)のおかげで冬のオペラはE席2000円で観劇で…
2023年12月10日 二期会 東京芸術劇場《上岡敏之✕東京二期会プロジェクトⅠ》指揮 上岡敏之管弦楽 読売日本交響楽団合唱 二期会合唱団盛田麻央(ソプラノ)、富岡明子(メゾ・ソプラノ)、松原友(テノール)、ジョン・ハオ(バス)ストラヴィンスキー 詩篇交響曲モーツァルト レクイエム タイトルのとおり、指揮者上岡敏之と東京二期会で、コラボレーションによるプロジェクトを立ち上げるという。その第一弾が今回のコンサート。上岡さんが二期会公演を振るのは初めてだといい、初めてなのに、いきなりシリーズ企画を作るというのも、なんだかな感じがしないでもない。通常なら、まず共演があって、お互いの好感触があって、方…
ミュージカルなどの現場に行くと、出演者に中国人や韓国人が多くなっています。オペラにおいても同じです。 欧米で日本人の歌手をみるのは稀です。二期会で3,000人近く、藤原歌劇団も3,000人ぐらいいます。それでも、欧米での活躍は、韓国人や中国人にまで及ばないのです。
2023年2月25日 二期会 東京文化会館プッチーニ トゥーランドット指揮 ディエゴ・マテウス演出 ダニエル・クレーマー(ステージデザイン等 チームラボ)管弦楽 新日本フィルハーモニー交響楽団田崎尚美(トゥーランドット)、樋口達哉(カラフ)、竹多倫子(リュー)、ジョン・ハオ(ティムール)、牧川修一(皇帝アルトゥム)、小林啓倫(ピン)、児玉和弘(パン)、新海康仁(ポン) 他 チームラボが手掛けたスペクタクルな舞台が話題になっている本公演だが、私にとっては、ルチアーノ・ベリオによる第3幕補作版を採用した上演を初めて聴いた、というのがポイントだ。 ベリオ版は、2002年ザルツブルク音楽祭で上演された…
2022年7月16日 二期会 東京文化会館ワーグナー パルジファル指揮 セバスティアン・ヴァイグレ演出 宮本亞門管弦楽 読売日本交響楽団黒田博(アンフォルタス)、大塚博章(ティトレル)、加藤宏隆(グルネマンツ)、福井敬(パルジファル)、門馬信樹(クリングゾル)、田崎尚美(クンドリー) 他 まずは二期会創立70周年、おめでとうござる。歌劇団体として名乗りつつ、その実態は歌手組合。劇場を持たず、専属オーケストラも首席指揮者も持たない、世界的に見てかなり特殊な運営方式でありながら、出演歌手はゲストを呼ばず頑なに「日本人」にこだわる。一方で、著名な演出家を招聘したり、海外の劇場と共同制作契約を結ぶなど…
2021年8月28日、新宿文化センターで二期会のオペラ《ルル》を観てきた記録。 変革の風をごうごう感じる。わたしたちの中のルルを響かせながら観る舞台。構造を変えていこうよ。みんなでせーのーで、で降りようよ、と思う。余韻が冷めないままに、ついに年を越してしまった。 わたしがどうしても知りたい、人間にまつわることを教えてくれる大切な作品になった。 ▼二期会の公式ページ。グルーバーへのインタビュー動画前後編がとてもよかった。 http://www.nikikai.net/lineup/lulu2020/ ツイッターの記録より。全然まとめなおせないので、このまま掲載。 (観る前) 二期会のオペラ『ルル…
2021年9月11日 二期会 東京文化会館モーツァルト 魔笛指揮 ギエドレ・シュレキーテ演出 宮本亞門管弦楽 読売日本交響楽団妻屋秀和(ザラストロ)、金山京介(タミーノ)、安井陽子(夜の女王)、嘉目真木子(パミーナ)、萩原潤(パパゲーノ)、種谷典子(パパゲーナ)、高橋淳(モノスタス) 他 リンツ州立劇場と共同制作し、これで3回目となる再演版。なのに、私は今回初めて観る。国内で新演出されるオペラ上演なら、大抵観たい衝動に駆られてチケットを買うはずなのに、なぜ見逃していたのだろう・・。などと言いつつ、答えは自分でも分かっている。 要するに、自分にとって魔笛はどうしても観たいオペラ作品ではない、とい…
2021年8月28日 二期会 新宿文化センターベルク ルル指揮 マキシム・パスカル演出 カロリーネ・グルーバー管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団森谷真理(ルル)、増田弥生(ゲシュヴィッツ伯爵令嬢)、高野二郎(画家)、加耒徹(シェーン博士)、前川健生(アルヴァ)、山下浩司(シゴルヒ)、北川辰彦(猛獣使い、力業師)、中村蓉(ソロダンサー) 他 二期会、会心の一撃。カンパニーの総力を束ね、充実度を極めた高水準の出来栄えだ。 私がこれまでに鑑賞した中で印象深かかった二期会公演として、2015年10月に上演されたR・シュトラウスの「ダナエの愛」が挙がる。しかし、どちらかと言えば「なかなか上演されないレ…
2021年8月12日 二期会 東京オペラシティコンサートホール指揮 アンドレア・バッティストーニ管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団木下美穂子(ソプラノ)、中島郁子(メゾ・ソプラノ)、城宏憲(テノール)、妻屋秀和(バス)ヴェルディ レクイエム 高校生の時、ブラスバンド仲間の友人に誘われて、ヴェルディのレクイエムのコンサートに行った。その前に、知らない曲だったので、予習するためにカラヤン指揮ベルリン・フィルのレコードを買った。(クラシック初心者だった私は、当時、何でもかんでもカラヤンのレコードを買っていた。)すると、コンサートに誘った友人くんは、私にこう言ったのである。 「レクイエムもそうだけど…
2021年7月18日 二期会 東京文化会館ヴェルディ ファルスタッフ指揮 レオナルド・シーニ演出 ロラン・ペリー管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団今井俊輔(ファルスタッフ)、清水勇磨(フォード)、宮里直樹(フェントン)、高橋絵理(アリーチェ)、三宅理恵(ナンネッタ)、中島郁子(クイックリー夫人)、花房英里子(メグ) 他 ロラン・ペリーの演出コンセプトによれば、「裕福な夫人アリーチェを始めとするブルジョア階級連中の、退屈しのぎのいたずら」なんだそうである。 なるほどねーと思った。 以前からこの物語について、私は訝しく思っていたことがあった。ファルスタッフをおびき寄せ、まんまと嵌めて、洗濯物と一…
20世紀オペラの傑作にして問題作、アルバン・ベルク《ルル》が東京二期会の新制作で上演されました!2020年に上演が予定されていましたが、コロナの影響で延期しての開催。コロナ感染の広がりや指揮者の来日が危ぶまれるなか、まずは本当によく幕を開いてくれたことをありがたく思いました。 指揮: マキシム・パスカル演出: カロリーネ・グルーバー装置: ロイ・スパーン衣裳: メヒトヒルト・ザイペル照明: 喜多村 貴映像: 上田大樹振付: 中村 蓉演出助手:太田麻衣子舞台監督: 村田健輔公演監督: 佐々木典子 ルル:森谷真理ゲシュヴィッツ伯爵令嬢:増田弥生劇場の衣裳係、ギムナジウムの学生:郷家暁子医事顧問:加…
自分のズボラな性格が非常によく表れていると思うのですが、過去に鑑賞した演奏会で、鑑賞後レビューをブログに書こうと思ったものの、そのままほっぽらかしてしまい、気づけば下書きにかなり溜まっていることに気づきました。そんなわけで、しばらく記憶を掘り起こしながら、過去に観たものを更新していくことになると思います。 まずは、こちら。 2021年11月28日(日)ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」@新国立劇場【指 揮】大野和士【演 出】イェンス=ダニエル・ヘルツォーク【美 術】マティス・ナイトハルト【衣 裳】シビル・ゲデケ【照 明】ファビオ・アントーチ【振 付】ラムセス・ジグル【演出補】ハイ…
演奏会の体験を自分の言葉にまとめるのって、なかなか時間がかかりますねぇ。それが振り返って、掘り起こしたくなるほど印象的な体験であれば尚のこと。かといって、頭に残った記憶や情報、熱量の鮮度を落としたくはない。う~ん、困った! と、いうことで。演奏会のレビュー投稿まで少し時間がかかりそうなので、最近の鑑賞録を雑談がてら振り返ろうと思います。先日24日(火)は、予告通り「アンサンブル・アンテルコンタンポラン@サントリー」を鑑賞しました。今年のテーマ作曲家マティアス・ピンチャーの作品を聴けたのが一番の収穫でした。いや~良かった、生で聴いておいて、本当に。現代音楽ほど生で聴いておくに越したことはない、と…
240423 本公演(5/25)に備えての”予告編”が開催されました。千円ポッキリなんで「都立大学」まで行ってきました。日本ではほとんど上演機会のないオペラなので、やはり二期会としても、こうした活動には力を入れざるを得ない様子です。 ヘンデル、最晩年のオペラで、1741年製。そして翌年、「メサイア」が作曲されたというわけです。もちろん、その時は母国ドイツではなく、移住先(最終的には帰化した)の英国でしたので、英語による作品となりました。 トークショーは演出家の中村 蓉さん(まだ30代!)と一緒に、Mo.鈴木秀美が解説していきました。オペラの歴史から説きおこして、なかなか興味深いお話が聞けました…
3月、4月の二ケ月間に渡った、「東京春音楽祭2024」も今日で最終日になりました。今年は、例年に比して一層中身が充実したものになったと思います。最終日の今日は、4/18に都合が付かず聴けなかった『エレクトラ』を聴くことにしました。この演目は、昨年5月にミューザ夏祭りの目玉演目として演奏されたのを聴きました。その時の記録を参考まで文末に再掲します。 【日時】2024.4.21(日)15:00〜 【演目】R.シュトラウス・歌劇『エレクトラ』Op.58 全一幕 【会場】東京文化会館 【管弦楽】読売日本交響楽団 【指揮】セバスチャン・ヴァイグレ 【合唱】新国立合唱団 【合唱指揮】冨平恭平 【出演】 エ…
2024年4月18日 [木] 19:00公演 東京文化会館大ホール 東京・春・音楽祭 リヒャルト・シュトラウス作曲 フーゴ・フォン・ホーフマンスタール台本 エレクトラ(演奏会形式) お世話になっております。 三島でございます。 この日は引き続き東京春祭の会場へ。 リヒャルトくんのオペラを聞きました。 www.tokyo-harusai.com 当ブログではオペラに対して見るという動詞を使っておりますが、この公演は演奏会形式だったので聞くを使います。深い意味はないです。 2023年5月に東京交響楽団(指揮:ジョナサン・ノット)にて同じくエレクトラの演奏会形式がありました。記憶に新しいです。1年以…
【日時】2024年4月17日 [水] 14:00〜 【演目】ジュゼッペ・ヴェルディー作曲、歌劇アイーダ全四幕 【上演時間】3時間50分 〇第一幕14:00〜14:40(40分) 〇第二幕15:00〜15:45(45分) 〇第三、四幕16:05〜17:15(70分) 各幕間に20分の休憩時間有り 【管弦楽】東京春祭オーケストラ 【指揮】リッカルド・ムーティ 【合唱】東京オペラシンガーズ 【合唱指揮】仲田淳也 【登場人物】 アイーダ:エチオピアの王女。エジプトに 【出演(配役)】 ○アイーダ(ソプラノ)マリア・ホセ・シーリス 〈Profile〉 今日を代表するソプラノ歌手の一人として認められ…
ドイツオペラ特にワーグナーが専門の山崎太郎東工大リバラルアーツ研究教育院教授の「春・音楽祭」プログラム寄稿の解説は、面白く参考になる。◯神話世界を舞台に、至上の権力をめぐる登場人物たちの争いを、愛や憎しみの諸相とともに描いた舞台祝祭劇《ニーベルングの指環》四部作ーこの作品の内部には一つの世界が誕生し、滅亡するまでの長大な時間が流れているが、しかし一方で、登場人物たちの血縁関係に思いを巡らすなら、祖父母から孫に至る三世代の家族の物語と見なすこともできる。(p.68)◯ところで、ヴォータンは最高神でもあるから、「遠大な構想」は「天から人間に下された運命」と言い換えてもよいだろう。そこから仄見えてく…
240407 今日は天気が回復、桜が満開になりました。午後から、地元合唱団仲間の一人が出演するコンサートへ。 一月前に自分も歌ったばかりのこの曲、今日は客席からたっぷりと鑑賞してきました。マエストロはこの人、 二人の女声ソリストは、 ソプラノ 中川 郁文 Nakagawa Ikumi 兵庫県出身。奈良教育大学卒業、京都市立芸術大学大学院、サントリーホールオペラ・アカデミーを修了。’19年世界オペラコンクールNEUE STIMMENのアジア地区代表。’21年夏ザルツブルク音楽祭にYoungSingersProjectのメンバーとして日本人で初めて選抜され複数の公演にソリストとして出演。その際指揮…
240330 久しぶりに両国のシアターX(カイ)に行きました。今日は「カヴァレリア・ルスティカーナ」3日公演の中日です。初日とは一部キャストが入れ替わっています。 この劇場の名物シリーズ、「あえて小さなオペラ」には、もうかなり昔から何度もここへ足を運んでいます。なんたって、千円ポッキリでオペラが見られるって、なかなかないですから。 演出をされている大井哲也さんは、毎回主要キャストとしても登場されるのですが、今日は別組で、会場にお姿はありませんでした。一方、指揮をされた高木耀子さんは、練習(20回)も含め、3日間通しで出演、ま、そりゃそうです、この方がいないと始まりません。舞台中央に置かれたスタ…
💮圧倒的な男声ソリスト陣の歌声!! 💮女声ソリスト男声に圧倒されるも、立派に大健闘!! 💮ヤノフスキー・N響、アンサンブルのみならず奏者個々の力量発揮!! 💮男声合唱団、力強い響きをくり出すも、やや力味過ぎの箇所も! 💮演奏会形式超えの舞台効果の工夫が光る!! 【日時】2024.3.27.(水)15:00〜19:30(予定) 【会場】東京文化会館 【演目】ワーグナー楽劇『トリスタンとイゾルデ』全三幕(演奏会形式)、独語上演、日本語字幕付 【上演時間】約5時間(第1幕80分、休憩30分、第2幕65分、休憩30分、第3幕75分) 【管弦楽】NHK交響楽団 【指揮】マレク・ヤノフスキー 【合唱】東京…
2024年3月23日(土)15:00公演 東京文化会館 大ホール 小澤征爾音楽塾 W.モーツァルト作曲 コジ・ファン・トゥッテ お世話になっております。 三島でございます。 この日は久しぶりにモーツァルト先生のオペラの観劇に行きました。 「コジ・ファン・トゥッテ」は物語に面白みのないオペラ第1位だと個人的に思っています。しかし、好きなオペラ作品の一つです。重唱の美しさとフィオルディリージにとてつもない過重労働を押し付けているところが好きです。 モーツァルト先生の作品の観劇を避けているわけではありませんが、なかなか観る機会がないな感じる今日この頃です。 それでは感想いってみよー。 手強いね、モー…
ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』 トリスタン:ゾルターン・ニャリ イゾルデ:リエネ・キンチャ ブランゲーネ:藤村実穂子 クルヴェナール:エギルス・シリンス マルケ王:ヴィルヘルム・シュヴィングハマー 指揮:大野和士 合唱:新国立劇場合唱団 管弦楽:東京都交響楽団 演出:デイヴィッド・マクヴィカー 2024年3月23日(土) 新国立劇場オペラパレス 今月は二期会のタンホイザーに続き二度目のワーグナー。いやー濃いっすね。 この公演は2011年プレミエの再演ということです。自分はこのプロダクションは今回が初めて。 オペラ公演はだいたい演出の感想から入るのですが、今日は演奏から。 大野さんと東…
こんばんは、茅野です。 急に温かくなって参りましたね。もう春でしょうか。 少し時間が経ってしまいましたが、先日は日本バレエ協会の『パキータ』公演にお邪魔しました。3月10日ソワレ、千秋楽の回でございます。 ↑ 都民芸術フェスティバル、初めて参りました。 ライブビューイングが主でしたが、ほぼ3日連続でバレエとは。こんなことは『オネーギン』以外では初めてです。どうした急に。 ↑ 連続して観たもの。 前日にスミルノワ様を拝んで無駄にハードルを上げておきました。あまり宜しいことではないにせよ、事実として、観劇は鑑賞者自身のコンディションやテンションに大きく左右されますからね。 今回も、備忘がてらこちら…