ちょっと界隈で話題になっているようなので、文藝春秋の最新号に掲載されている鈴木おさむの「20160118」という文章を読んだ。SMAPが急遽生放送で「謝罪」した番組の放映に至る顛末が記されているという。 読んだ感想は、「なんじゃこりゃ」というもので、完全に期待を下回る内容であった。 著者自ら文中に「これは小説である」と断り書きを入れているが、自分から見ればこれは〈小説〉と呼べる代物ではなく、当時のSMAP解散騒動をリアルタイムで知っている人間でなければ何のことかまるで分らない。要は作品としての普遍性がまるっと欠如している。その一方で「SMAP」「ジャニーズ事務所」「メリー喜多川」といった重要な…