神野直彦『財政学』(29) 今回は、第13章 人税の仕組みと実態 に進もうと思ったのだが、本章の理解のためには、前章までの説明を理解しておく必要があり、その復習と私見を少し述べるに終わってしまった。第13章は次回にする。 人税と物税 本章のタイトルの人税(じんぜい)とは馴染みのない言葉である。対になる物税(ぶつぜい)を同時に覚えておこう。 人税とは、所得税・相続税などのように、所得や財産の帰属する人を対象にして課される租税である。物税とは、物の所有・取得・製造・販売・輸入や物から生ずる収益に課される租税である。固定資産税など。(デジタル大辞泉) 納税者の置かれた個人的諸条件を斟酌して、各納税者…