元禄13年2月7日。辰半(午前8時)過ぎ、信行院のあたりから火が出る。火は広大な範囲に及び、丑9刻(午前3時前)に消し止める。長助という者が火を出し、これで3度目の出火なので預けられる。文左衛門は急いで走り帰り、ようやく昼過ぎに鉄門へ出る。そこから玄蕃殿前の土居へ出かける。しかし、これは彦兵衛使いの聞き間違いで、仲間が出かけたもの。その後、鉄門へと帰る。御深井へ火の粉が少し飛んできたので、御深井へ出かける。その後、榎多門へと行く。激しい炎が大空を染め、まるで数え切れないほどの雷のようであった。文左衛門は生まれて初めてこのような火事を見る。別に絵図もあるので記録をする。町方は53町(1町は約10…