林中之罪:菊亭笑庸 1894年(明27)今古堂、探偵文庫 第九篇~第十篇 前後2巻。 菊亭笑庸(きくてい・しょうよう、生没年とも不明)は黒岩涙香に追随するように海外の探偵小説の訳述に活躍した。他の多くの翻案作家たちと同様に彼らの存在はそれぞれの版元の広告等に名前が出る程度で、詳細は不明となっている。笑庸の場合には主として今古堂の探偵文庫シリーズに何点かの作品が残された。しかもドイツ語の語学力を駆使できた人物は彼のほか、森鷗外など少数者だったので重宝がられた。 林中之罪:菊亭笑庸2 この「林中之罪」についても原作者が誰かは明らかにされていない。舞台はほとんどロンドンの市街や公園であり、読んでいく…