2012年現在、 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 准教授 専門は 教育社会学。 学校の転落事故、柔道の部活動・授業の死亡事故などの研究で知られ、安全性についての提言も行っている。
関連サイト・ブログ 「学校リスク研究所」 http://www.dadala.net/ 「だだぶろぐ」 http://geocities.yahoo.co.jp/gl/soc_darkside/
小室 若い教員の方と話をしていると、「給特法というのは教員の仕事が特別で、その特殊性を守るために作った法律だから残すべき」とおっしゃる方もいます。しかし実際は、当時労働時間に関する訴訟が増えて、そういった裁判に国が負けないために定額働かせ放題の法律を作ったにすぎないということですよね。金井 おっしゃる通りだと思います。教員が「特殊」だとすれば、先取りして労働破壊を受け入れるくらい、教員は世間知らずの「特殊」な人たちだったということです。労働経済の論理を知らないから、一般労働者よりも40年くらい早く「やりがい搾取」の「定額働かせ放題」になってしまったということで、労働者意識が低いということです。…
どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。 今日のブログのタイトルは、「教育という病 内田良著(光文社新書) に学ぶ!」です。本書には「子どもと先生を苦しめる『教育リスク』」というサブタイトルがついています。 まずは、この本を手に取った理由からお話ししますね。 私の本の買い方は「まとめ買い」です。だいたい5~10冊程度の本をまとめて購入します。 その時に意識していることが二つあります。 一つは、「ビジネス書、小説、エッセーなど様々なジャンルの本を購入する」ということです。 以前は、読む本の傾向がどうしても「すぐに役立つ情報」が得られる…
盛り上がった#教師のバトン プロジェクトもいずれブームは過ぎ去る日が来るだろう。しかし、それでも教師が情報発信することの意義は、日本が成熟した民主主義社会を指向する限り消えることはない。教育公務員として、必要以上に政治的中立性が求められ、地域社会から厳しい監視の目に晒されているのが現在の教師の偽らざる実情であろうが、このような現状は健全な民主主義の実現にとっても、子どもたちへの教育効果を考えても、有害でしかない。(内田良、斉藤ひでみ、嶋﨑量、福嶋尚子『#教師のバトン とはなんだったのか』岩波ブックレット、2021) こんばんは。1年前の12月と同様にブログの更新が滞ってしまいました。今年も「通…
1960年代には多くの都道府県で、教員の超過勤務に対して残業代の支払いを求める裁判が続出した。その結果は、原告教員側の連戦連勝。裁判所は、教員も労働基準法の考え方でとらえるべき労働者である、という判断を下していたのである。(内田良、広田照幸、髙橋哲、嶋﨑量、斉藤ひでみ『迷走する教員の働き方改革』岩波書店、2020) おはようございます。一昨日の日曜日に埼玉の伊奈町にある国登録有形文化財「大島家住宅主屋」を見学してきました。大島家住宅主屋は、江戸末期に建てられた民家(築200年)をリノベーションした古民家として知られ、喫茶店と相談室とコミュニティースペースをひっくるめて「紡ぎの家 大島」と呼ばれ…
タイトル:「ハッピーな部活」のつくり方 著者:中澤篤史・内田良 出版社:岩波書店 出版日:2019 書籍紹介:学校の部活動をもっと良くするためのアイデアをまとめた本 読んでみて:この本を読んだきっかけは岩波ジュニア新書を大量購入した際の一冊で、初めて読みました。本書には多くの数字やガイドラインの出典が明確に記載されており、参考文献一覧も完備されているため、しっかりと作り込まれている印象を受けました。その中で特に印象に残ったのは、一部の中学・高校で部活動が強制されているという事実で、これは良くない慣習だと感じました。さらに興味深かったのは、アメリカやヨーロッパの部活動では一つの種目を通年で行うの…
先週もご紹介した、不登校の増加に関するニュース。 その背景に教員不足がある、という分析がありました。 日経新聞より。 www.nikkei.com (会員限定記事となっております。ご了承ください) まずは下のグラフをご覧ください。 すでにご承知かもしれませんが、不登校の増加率は非常に大きく、 2013年度から11年連続で増加となっています。 2023年度には34万人が不登校とされていますが、 長期欠席全体としては49万人もの数に達しています。 コロナ禍で急増した印象が強いのですが、 実際にはそれ以前から増加が始まっています。 本稿の筆者である伊田勝憲先生は、 教職大学院で現職教員の研修を手がけ…
熊本県立大津高校のサッカー部で、上級生から全裸土下座を強要されるなどのいじめを受けて精神症状を発症し転校に追い込まれたとして、元生徒が加害者の上級生2人を相手取り、計440万円の損害賠償を求める民事訴訟を提訴したことがわかった。 2024年12月4日に第1回口頭弁論が開かれる。
日本児童文学者協会さんの児童文学セミナーin岡山に参加しました。とてもとても楽しかった! 新幹線の遅れの影響でスケジュールが急遽変更になったりもしましたが、スタッフの方々の素晴らしい運営で、つつがなく終えることができました。本当にありがとうございました。 分科会A「今生きている場所の呼吸をどう描くか」 講師は村中李衣さん、聞き手は西山利佳さん。金言の嵐でした。 村中さんのお話はいつも本当に面白いのだけれど、同時にとても難しくて、かんたんには咀嚼できません。でもすぐに「わかった」と言わずに、じっくり時間をかけて自分の中で考え続けることが大事なのかなと思います。いつか私にも「ハハン」となる瞬間が来…
一般社団法人日本児童文学者協会による「児童文学セミナーin岡山」の申込受付が始まっています。 日時: 2024年11月23日(土・祝)9:00~17:30 会場:就実大学S館(岡山市中区西川原1-6-1) 参加費:大人 1,000円(大学生以下無料) 対象:未就学児~大人 申込方法:申込書を郵送またはFAX、メールで送信 ■プログラム 記念講演会「だれが校則を変えるのか――学校リスクの見える化活動」内田良氏(名古屋大学教授) シンポジウム「児童文学と子どもの権利『なにを書いて、なにを書かないか?』」 工藤純子氏、天川栄人氏、八束澄子氏/コーディネーター:赤羽じゅんこ氏 子ども向けワークショップ…
なぜ働き方改革が必要なのか。最近、この問いがよく話題になっていますが、その答えに納得いかない人もいるかもしれません。例えば、過去に「24時間頑張れますか」というCMが放映されていたように、「そんなに仕事時間を削減して大丈夫なの?成果がでないのではないか」と考える世代もあるかと思います。 そんな疑問に答えをくれたのが、ワークライフ・バランスの小室淑恵さんと元広島県教育長の平川理恵さんのVoicy対談です!Voicyは音声配信をするツール。私は小室さんの著作「プレイングマネジャー 「残業ゼロ」の仕事術」を読んでおり、提案された仕事術がすごく興味深いと思っていました。そんな小室さんの生のお話しは、す…
今月号がとどきました。いつもありがとうございます。 特集:PTAの未来 巻頭インタビュー 「難しくめんどくさい政治だから身近に感じられる主権者教育を」(第一生命経済研究所・西野偉彦氏) 2015年にスタートした主権者教育。来年度10周年を迎える。 高校三年生だけに教えればいいと思われているが、子供が小さい頃から地道に取り組んでいくべき。 課題は、政治的中立性の確保。政策を扱うことだけが主権者教育ではないが、政策を全く扱わないのもバランス欠ける。 学校の先生や保護者のような大人が「政治が何のためにあるのか、選挙は何のために行うのか」をきれいごとではなく、きちんと納得した上で子供たちに話さないとい…
昨年5月以降、東京新聞が報じてきた校庭の「放置くぎ問題」。報道後、安全なくぎの打ち方を徹底する教育委員会が出てきた一方、点検したはずなのに今年に入っても事故が起き、よく調べると大量のくぎが埋まっていた自治体もある。放置くぎ問題一つ取っても自治体ごとにバラバラな学校の安全対策。今年3月には文部科学省が初めて安全点検要領を作成したが、実効性あるものになるだろうか。(宮畑譲) ◆5m間隔で埋め込んだ目印を使うように 神戸市の中心地・三宮から阪急電車で1駅の場所にある同市立春日野小。校舎の建て替えにともない、現在、隣接する公園を校庭代わりに使用している。その地面には、緑の目印が5メートル間隔で並んでい…
「授業中に水分補給は本当にダメなの?」「熱中症の危険性があるのに、どうして学校は水分補給を禁止するの?」 と疑問に思ったことはありませんか?最近、埼玉県桶川市の中学校で話題となっている校則に対する保護者の反発や専門家の指摘は、まさにこれらの疑問に直結しています。 この記事を読むことで、なぜこのような校則が存在するのか、そしてそれが本当に合理的なのかを明らかにし、あなたの疑問を解決します。さらに、校則の見直しが必要である理由と生徒の健康を守るための適切な対策についても考察します。 授業中の水分補給はダメ?/熱中症対策と校則の矛盾 校則の合理性と熱中症対策/生徒の健康を守るために 授業中の水分補給…
学校(写真はイメージ)=ゲッティ 埼玉県桶川市の中学校で、ある校則が物議を醸している。教室での水分補給に関する「マナー」を定めたものだが、熱中症の危険性が指摘されるなど一部保護者の反発を招いた。専門家も「合理的な説明がつかないのでは」と疑問視する校則とは。 【写真まとめ】物議を醸した校則 配られたプリントに… この学校で今春、「生徒指導の変更点と確認項目まとめ」と題するプリントが生徒に配布された。物議を醸したのはそこに書かれていた校則の一つだった。 原則、授業中やテスト中は(水筒で水やお茶を)飲まないことをマナーとする――。 これを見た生徒の保護者(48)は「(熱中症で)生徒が命を落とすかもし…
2024年06月23日号(通巻805号) 表紙:涌井友子さんと涌井啓権さん(週刊とうきょう) 6/23(日)24時 NHK総合 ドキュメント20min.『93歳の新聞記者』 https://www.nhk.jp/p/ts/YN5YRJ9KP6/episode/te/PYZNL2Y8Y2/ jisin.jp jisin.jp www.tokyo-np.co.jp
教員も働き方の意識を変えるようにと専門家は言うが、 教師の気持ちは大きくは変わらないだろう。 学校の教師も港の漁師と同じ。 隣りのアイツには負けたくないのだ。という話。(写真:フォトAC) 【思った通り、教師が子どもを犠牲にする話】 全国中学校体育大会(略称:全中)の規模縮小の話は昨日のニュースでも扱われていて、ある局では相撲部の大会を取材し、保護者や選手から「困った」「何とかしてほしい」といった言葉を採取した上で、「子どもたちを第一に考えた方策を取ってほしいものです」といったまとめ方をしていました。右上には「教員の負担軽減のため」の文字が浮かび上がっています。 全部まとめると、「教員の負担軽…
幼稚園でいじめを受けたと訴える男児(6)の父親(48)が、いじめ防止対策を未就学児にも広げてほしいと東京都渋谷区議会に提出した請願が、全会一致で採択された。いじめに関する法律や区条例では幼稚園や保育園は対象外になっている。「いじめが低年齢化しているのに対応が不十分」と、実態調査や対策強化を求めた。(榎本哲也) ◆園側「子ども同士のじゃれあいの延長線上での出来事」 シャボン玉(写真は記事とは直接関係ありません) 請願を出した豊島区に住む父親によると、今年3月まで渋谷区内の私立幼稚園に在籍していた長男が昨年9月の夏休み明けに「幼稚園に行きたくない」と言い出し、複数の同級生の名前を挙げ「6月と7月、…
本年度から「天理大学人文学部 社会教育学科」がスタートしました。それでやはり「課題図書」は読んでもらおうというわけで、 今年も教員が選ぶ新書本50冊リストができました。 【哲学・宗教】 野矢茂樹『哲学の謎』講談社現代新書、1996年。 中村圭志『損得でくらべる宗教入門』ベスト新書、2011年 山浦玄嗣『イエスの言葉 ケセン語訳』文春新書、2011年 枡野俊明『人生は凸凹だからおもしろい-逆境を乗り越えるための「禅」の作法』光文社新書、2020年 【学び論】 平田オリザ『22世紀を見る君たちへ-これからを生きるための「練習問題」-』講談社現代新書2020年 内田樹、ウスビ・サコ『君たちのための自…
宮中某重大事件 ウィキペディア フリーな encyclopedia 華族 皇族 東久邇宮稔彦王 宮中某重大事件(きゅうちゅうぼうじゅうだいじけん)は、大正天皇の皇太子・裕仁親王(後の昭和天皇)妃に内定していた久邇宮家の良子女王(後の香淳皇后)の家系に色覚異常の遺伝があるとして、1920年(大正9年)から1921年(大正10年)にかけて元老・山縣有朋らが久邇宮家に婚約辞退を迫った事件である。天皇の血統を重んじる山縣らに対し、良子女王の父・久邇宮邦彦王や、皇太子や良子女王に倫理を教えていた杉浦重剛らが人倫論を訴え抵抗した。当時世間一般には知られなかったものの、薩長閥の対立や反藩閥勢力の動き、さらに…