心如水――心は水に似ると云う。 「堰けば瀑津瀬(たきつせ)、展ぶれば流(ながれ)、澱ませれば水底に雲が行くかと思ふばかりの碧を凝らす深淵となる。淵、瀑津瀬何れを取っても水であると同時に直にそれをもって水を定義することは出来ない。それと等しくかの張りつめた時とこの展やかな時と何れも心の有様であるけれど、その一を捉へて心の標本だといふ訳には行かない、無理にさう決めればそれはもはや形骸である」 岡本一平の言だった。 (Wikipediaより、岡本一平) 禅をやっていた賜物か、この漫画家はおよそこの種の言い回しに堪能である。 そういうわけで、水を観にゆくことにした。 目指すは秦野市、神奈川西郊。 表丹…