「どんな山でもいい。とにかく山へ行け。山で過ごした時間は嘘をつかない」 2015年に劒岳を登ったあと、花谷泰広さんから頂いた言葉。あれから4年たった令和元年、無我夢中で山を追いかけた。 山納めとなる62座目が丹沢の塔ノ岳。1000m以上の峰が63座も連なる丹沢で『名山の民族史』の高橋千劔破さんは、「丹沢の主峰というべきは塔ノ岳であろう」と述べている。確かに3年前の2月にバカ尾根で蛭ヶ岳をピストンしたとき、登山者の多さや広々とした山頂に異様なオーラを感じた。しかし、せっかくの山納め。ヤマレコやYAMAPにアップされている普通の登山をしてもつまらない。そこで閃いたのは同い年の田中陽希さん。交通機関…