評論家(1947-)。大学時代に1年間、ヨーロッパ滞在の経験を持つ。 卒業後、洋書の販売会社に就職し、在籍時の経験を生かして評論活動に勤しんでいる。 著書「目にあまる英語バカ」で自らも英語を勉強してきた人間だったが、本質を見失った英語バカになったことを 反省しているという。英語はもう二度と話すまいと公言している。
一条真也です。125万部の発行部数を誇る「サンデー新聞」の最新号が出ました。同紙に連載中の「ハートフル・ブックス」の第175回分が掲載されています。今回は、『定年後に見たい映画130本』勢古浩爾著(平凡社新書)です。 「サンデー新聞」2022年12月3日号 本書のタイトルを最初に見たとき、「やられた!」と思いました。まさに、こういうテーマの本をわたし自身が書きたいと思っていたからです。コロナ前、わが社では修活の一環で「友引映画館」としてセレモニー(コミュニティ)ホールで高齢者向け映画鑑賞会を開催していました。社長のわたし自身が、映画は高齢者に「老い」と「死」についての学びを与えてくれると思って…
勢古さんとは、なぜかウマが合う 文庫 結論で読む人生論 (草思社文庫) 作者:勢古 浩爾 草思社 Amazon 人生の10年先輩、勢古さんの本とは長い付き合いだ。彼を追いかけるように自分も60になり65になりということで、だれもがその歳になったら考えてしまうことを同じように考えて、結局は時間の流れに流されていくことも、後を追うのだなあ。 この本、最初は2006年に出ているので勢古さん60歳ころの本。古今東西の人生論を読んでぶった切るというか、お得意の戦法。数々の人生論で私が読んでいるのは4分の1くらい。結局、何パターンかの似たり寄ったりなんだな・・・やっぱり、ということがわかる。そりゃあ、そう…
一条真也です。『定年後に見たい映画130本』勢古浩爾著(平凡社新書)を読みました。著者は、1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に34年間勤務の後、2006年に退職。市井の人間が生きていく中で本当に意味のある言葉、心の芯に響く言葉を思考し、表現し続けているとか。1988年、第7回 毎日二十一世紀賞受賞。著書にブログ『それでも読書はやめられない』で紹介した本の他、『定年後のリアル』(草思社文庫)、『わたしを認めよ!』(洋泉社新書y)、『ひとりぼっちの辞典』(清流出版)、『会社員の父から息子へ』(ちくま新書)、『最後の吉本隆明』(筑摩書房)、『定年バカ』(SB新書)、『人生…
図書館で吉本隆明「完本 情況への発言」、勢古浩爾「最後の吉本隆明」、松崎 之貞「「語る人」吉本隆明の一念」、加藤 典洋、高橋 源一郎「吉本隆明がぼくたちに遺したもの」を借りる。「情況への発言」では、柄谷行人や蓮実重彦、浅田彰らを口汚く罵っているのに驚いた。これは言われたほうは一生忘れないよな、絶対に報復してやろうという気になるよな、と思うが、それを承知でここまでのことが書けるというのが魅力といえばいえなくもない。「反核」やら「反原発」への異論もそうで、とにかく思ったことを言い切るという胆力は今の知識人に最も欠けているものだろう。だからテレビタレントや似非文化人たちに舐められるのだ。 などと思い…
一条真也です。12日、金沢に入りました。翌13日は、サンレー北陸の本部会議に参加します。それはそうと、季節は秋。そう、読書の秋ですね!『それでも読書はやめられない』勢古浩爾著(NHK出版新書)を読みました。「本読みの極意は『守・破・離』にあり」というサブタイトルがついています。著者は、1947年大分県生まれ。洋書輸入会社に34年間勤務ののち、2006年末に退職。市井の人間が生きていくなかで本当に意味のある言葉、心の芯に響く言葉を思考し、静かに表現し続けているそうです。著書に『思想なんかいらない生活』『最後の吉本隆明』(ともに筑摩書房)、『まれに見るバカ』(洋泉社)、『アマチュア論。』(ミシマ社…
徳という文字が気になる。ふと、検索してみた。「身についた品性。社会的に価値のある性質。善や正義にしたがう人格的能力」と出てきた。「おれには遠いし、この国の為政者たちには無縁だな」と。空を視る。 ▲『影』(写真)冬だ。影を視て想う。「春よ、来い」と。影は見飽きないものの。 www.youtube.com【目標だって?/今日も少しだけ】 人生は、目標のためのものなのか? そんなことはない。 目標がなくたっていい。 あれば、幸運だが。 悩まなくていいことで、悩むことが多過ぎるのではないか。 生きがいだのも含め。 単に生きているだけでいいではないか。 そう想っていた矢先、勢古浩爾氏が、『ただ生きる』(…
2022年の読書を振り返る。去年139冊読んだのに対して、今年は79冊読んだ(43%減)。読書時間は去年623hに対し、今年は352h(43%減)。大幅減ではあるけれど、これは去年が異常に多かっただけ。歴代でみれば3番目の多さ。アリリタ生活3年目にしてようやく日々の読書タイムが習慣化し、生活に溶け込んで読書を楽しむことが出来た。 ゲンロン関係とその派生で23冊、勢古さんとその派生で8冊。今年は活動の幅を広げるため、趣味関係の読書が増えたのが特徴。今までの継続だけではなく、新しい境地を開拓して、アリリタ生活をより充実させていきたい。 ・ゲンロン 今年も動画プラットフォーム「シラス」会員になり、色…
定年後の生活を充実させるために、様々な本や記事が出ているが、その一つの手段として、「趣味を持つ」ということがある。 何しろ、65歳に定年になって、85歳まで生きたとしても、20年の時間がある。 引き続き、仕事をできる人はいいが、趣味のない人間は、時間を潰すのに、苦労しそうだ。 筆者の近くの図書館でも、朝から、延々と新聞を読んでいるお年寄りがいる。 複数の新聞を読むのが趣味ならともかく、大半の人は、やることがなくて、しかも、家にいても妻や家族に相手にしてもらえず、仕方なく図書館に来ているのだろうと思う。 コロナで図書館などの施設が閉まっていたときは、さぞかし大変だったろうと、他人事ながら心配にな…
今週のお題「最近おもしろかった本」 エッセイストの勢古浩爾さんの『ただ生きる』を読みました! 今のじぶんにとってこれほど魅力的なタイトルはなかった…。 目的、意味、勝利、情報。 そのへんの概念があふれる世の中で、どうにもこうにも「ただ生きる」ことがむずかしいと感じる今日このごろ。 子どもの頃のように、なにかに夢中になる、没頭する、まわりを忘れて集中する。 そんな感覚が恋しく、またそれは「ただ生きる」に近いと思っていました。 だから「ただ生きる」ことを誰か教えて欲しい。 そんな気持ちで手に取った1冊です。 だた生きる、美しい人たち まず序盤はうるさすぎる世の中への批判からスタート。 これはよくあ…
瀬古浩爾『定年後に見たい映画130本』(平凡社新書)を読む。その「まえがき」から、 いま、わたしが見る映画は、単純におもしろそうだなと感じるものばかりである。本書で選んだ映画ももっぱら「おもしろさ一番」である。もう見栄を張ることも、強迫観念に駆られることもない。めんどうくさそうなものは最初からお断りである。とはいえやはり、ある程度の「名画・名作」は入れてある。「名画・名作」も映画だからである。 (中略) 見る映画は、人間ドラマ、ミステリー映画、刑事映画、戦争映画が多い。恋愛映画、ホラー映画、SF映画以外はほとんど見る。それも多くは洋画である。日本映画は少ない。 瀬古は、そういう基準で選んでいる…
毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。(書評の内容については各誌をご覧ください。) 今週の書評本 ◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数タイトル 著者 出版社 税込価格 書評掲載回数(2回以上のもの) ◆週刊朝日「週刊図書館」: 8/5 号 6 冊両手にトカレフ ブレイディみかこ ポプラ社 1,650 ③ザ・クイーン エリザベス女王とイギリスが歩んだ一〇〇年 マシュー・デニソン カンゼン 3,300この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか 奥泉光、加藤陽子 河出新書 968 ③空海 松長有慶 岩波新書 968 ②人薬〔精神科医と映画監督の対話〕 山本昌知、想田和弘 藤原…
勢古浩爾氏の本を読んだ。本当に久しぶりだ。もう10年近く読んでないような気がする。初めて読んだのは確か2000年頃に出版された、「自分様と馬の骨」という本だった。新聞の書評で見つけたと思う。承認問題について書かれていた。それからの数年間、出版されたすべての本を読んだと思う。 氏は私より一回り以上も年が大きい。ある本に、振り返ってみれば、人生はそんなに楽しいところではなかった、と書かれているのを見て、私はショックを受けた。こんなに覚悟が決まっているような人でも、人生は楽しくなかったのだ、と知ってひどく悲しかった。 今回読んだ本は「自分がおじいさんになるということ」だ。去年の暮れに出版された。今年…
2040年問題に向けて粛々と歳を重ねる 自分がおじいさんになるということ 作者:勢古 浩爾 草思社 Amazon 10年先行老人、勢古浩爾氏の最新老後エッセー集。この手の定年本、定年後本、老後本は買わないと思っていてもつい油断すると買ってしまう。たいした内容でもないのだが、同時代的共感があるため「そうだよね・・・」なんて思いながらついつい読んでしまう。 74歳になった団塊世代。脳梗塞も患って禁煙してる。書かれていることもだいぶ肩の力が抜けているような。個々の映画や本の情報で、お、これはいいかもというのはないではないが、それにしても買ってしまうと、読後の処分が面倒くさい。電子本いや、図書館本で充…
アマチュア論。/勢古浩爾 ミシマ社 プロであることに憧れ、プロであろうとしていたのは、社会人になりたての頃のこと。「プロ論」という本をむさぼるように読み、社会人になったからには、その道のプロになるべきだ、でないと堂々とお金を稼ぐことができない、と思っていた。プロの定義をよく自分自身で理解してもいなかったのに。いや、自分なりの定義はあった。「他人のために尽くして、対価としてお金をもらえる人」だ。自分に自信がないサービスでお金をもらうことはできない。だからきちんと技術を磨いて、堂々と良いサービスを提供する。そのために研鑽を積むべきだ、と思っていた。 「アマチュア論。」は、そんな「プロプロ」とうるさ…
勢古浩爾氏が「続・定年バカ」(SB新書 2019)で、楠木建氏の「すべては「好き嫌い」から始まる(文藝春秋 2019)」を紹介して、橘木の好悪を紹介している。 それは、「賭け事はまったくやらない。競技スポーツは嫌い。テレビはみない。」「徹頭徹尾室内派文科系」「組織の上下関係がいや」「歌舞音曲が好き」「集団行動とかチームワークがテンでダメ」「フェイスブックが好きになれない。」「人づき合いが億劫なタイプ」「そもそも多くの人々との『つながり』を求めていない」「私的な友達はそう多くない。というか、ヒジョウに少ない。」 いいなあ! ほとんどわたくしと同じである。唯一の違いは「テレビはみない」で、昨年10…