初めての著者で、130ページほどの短い小説。 先ず装画の美しさに惹かれ、この絵を描かれた、入江明日香さんのHPを検索してみたら、益々その作品の数々に惹かれ、機会があれば個展に行ってみたいと思った。 www.asukairie.com 物語自体も、最初から引き込まれ一気に読んでしまった。 主人公は、32歳の一人暮らしであるまどか。 10歳前から父親の転勤で数年間住んでいたアフリカの地で飼っていた、番犬の「虎」との想い出を中心に、当時と現在の暮らしとが交互に描かれている。 治安が悪いその国では、学校の往復ほか、車での親の送り迎えがないと外出できない。 庭にはブーゲンビリアが咲き誇る、防犯のための塀…