祖母は、毎年大晦日の日に卵酒を大量に拵えて、正月に挨拶に来た方々に差し上げていました。卵酒欲しさに挨拶に来るような人もいたくらいです。家の中で私だけがその作業を手伝い、あの大きな鍋を、底が固まらないように混ぜ続けていました。小さい頃は椅子に立って。良い思い出のように聞こえるこの辺で、思い出話はやめておこう。 毎年祖母が作っていたので「買う」という認識がなく、初めて店頭で見た時の衝撃は未だに覚えています。様々な卵酒を試してみて、祖母の卵酒が最も好みだと思うに至ったので、嫌な記憶を押しやって毎年作り続けています。 分量を記録してこなかったので頭になかったのですが、次に作る時に覚えていたら、実際の分…