少し遅めの夏休みとして一日お休みをつくり、ずっと行きたかった場所へ。 原爆の図丸木美術館。 ここで、丸木位里、丸木俊夫妻が30年以上かけて描いた「原爆の図」を初めて見た。 第1部「幽霊」から第15部「ながさき」からなる全15部の大作である(「ながさき」は長崎原爆資料館が所蔵する)。 まず15部もあることに驚かされ、一つひとつの巨大さにも圧倒された。 夫妻は、実際の記憶や被爆体験者の証言をもとに、原爆投下から3年がたってからこの絵を描き始めたのだという。 『絵の中にはデッサンも合わせて九百人程の人間像を描きました』『けれど広島でなくなった人々は二十六万人なのです。広島の人々の冥福を祈り、再び繰り…